2002 Fiscal Year Annual Research Report
ノダてんかんラット(NER)の発作型同定と発作モニタリング法の確立
Project/Area Number |
14771336
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
花谷 亮典 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (60304424)
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Keywords | ノダてんかんラット / 脳波 |
Research Abstract |
1.NERおよびWistar ratに対する長時間ビデオ脳波同時記録 広島大学動物実験施設内で繁殖飼育されたNERおよび、対照とするWistar ratを用いて、長時間ビデオ脳波同時期録を行った。 2.自発発作の発作頻度 一週間の連続モニタリングにて、平均2から3回の自発発作を記録した。これは、NERの発作頻度は3日に1回程度と報告されてきたこれまでの報告を裏付ける結果であった。 3.自発発作の発作様式 これまでの研究から、NERは脳の多部位にわたっててんかん原性・易興奮性を有する部位が存在すると考えられる。現在までに観察し得た発作型としては、局在関連性てんかんを示唆する所見はなく、いずれも全身強直間代性痙攣の発作形式を示している。 3.発育・加齢に伴う変化 本年度は生後1年未満のラットを主体として検討してきた。今後、生後1年以上経過したラットを用いて、NERの発作および発作様式が加齢とともに変化するか否かについて検討を加えたい。 4.発作間歇期脳波の検討 1年未満のラットについて、深部電極を留置して発作間歇期脳波を検討する。NERでは、発作間歇期に海馬からの異常棘波の散発が認められた。しかし、これに直接起因すると思われる発作症状は観察されなかった。 5.NER脳細胞の組織学的検討 発作間歇期脳波において、海馬からの異常脳波が記録されたために、主に生後1年未満のラットについて、H.E染色およびTimm染色を用いて、海馬硬化、発芽現象について検討を行った。海馬硬化や細胞配列異常など、組織学的に海馬のてんかん原性を示唆する所見は認められなかった。
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