2002 Fiscal Year Annual Research Report
MRSAの付着および溶血性に関係する遺伝子とその転写産物の検出方法についての研究
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14771355
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
河野 緑 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00225385)
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Keywords | MRSA / 付着性 / 溶血性 |
Research Abstract |
1、付着性因子および溶血性因子に関係する遺伝子のPCR法による検出方法の確立。 GeneBankのデーターベースを利用して細胞間接着因子に関する遺伝子(icaA, icaD)の塩基配列からそれぞれの遺伝子に特異的な配列を選び出し、プライマー検索ソフトOligo6を使用してPCRプライマーを作成した。 PCRによる遺伝子増幅産物(icaA検出162bp, icaD検出198bp, hla検出258bp, hib検出310bp)の検出にはポリアクリルアミドゲル電気泳動法およびマイクロチップ型電気泳動にはアジレント2100バイオアナライザーを使用して行った。 2、付着性因子および溶血性因子に関係する遺伝子由来mRNAの発現の検出方法の確立。 1で作成したプライマーを用いたRT-PCR法を確立した。RNAの抽出はRNAwiz (Ambion, Austin USA)を使用して行い,RNase-free DNasel (TaKaRa, Kyoto Japan)処理によりDNAの除去を行った。RT-PCR法は検討の結果、rTth DNA polymeraseを用いた1ステップ法を用いることにした。 3、血液およびカテーテル由来の臨床分離MRSA株を用いて、icaA, icaD遺伝子の有無および発現について調べた。その結果、両遺伝子とも保有、発現の結果が得られた。血液やカテーテル由来の臨床分離株は付着性株が多いことが示唆された。次年度は咽頭、皮膚など由来の異なる株との比較が必要である。また、同上の株のプラスチックプレートへの付着の定量的測定およびマウスの尾静脈からの接種によるマウスの腎臓への定着の観察を行ったところ、ioaA, ioaD遺伝子保有、発現株であるにも関わらずその成績には差がみられたことから他の付着性に関わる遺伝子についても調べる必要があると思われた。
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Research Products
(1 results)