2003 Fiscal Year Annual Research Report
ドメスティック・バイオレンスに対する地域での看護支援のあり方―D.Vの早期発見、早期介入を目指して―
Project/Area Number |
14771364
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
長谷川 美香 福井大学, 医学部, 講師 (90266669)
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Keywords | 暴力 / 配偶者 / 青年期 / 予防 / 教育プログラム |
Research Abstract |
【背景】昨年度に実施した福井県A市の20〜69歳の男女を無作為抽出し実施した調査において、配偶者から暴力を受けた体験のある者、行った体験のある者はない者より、いずれもその行為を暴力だと思う者が有意に少ないという結果を得た。そこで、暴力に関する認識を高めることは、潜在化している配偶者間の暴力を顕在化させ、さらに、暴力を行うことも、また受けることも低下させると考えた。 【目的】青年期を対象とした配偶者・パートナー間の暴力を予防するための教育プログラムの骨格を作成することである。対象を青年期としたのは、家族以外の異性と親しい関係を築き、また、恋人とのデートが始まる時期であるからである。 【方法】米国の先行研究から、青年期を対象とした複数の暴力予防教育プログラムの実際を把握した。これらを参考に、わが国の文化や状況を考慮した暴力予防プログラムの骨格(案)を作成した。このプログラム(案)について、実際に暴力被害者の相談に携わっている女性相談員、保健師、カウンセラー、精神科医等の専門家等からコメントをもらい、最終的なプログラムの骨格を完成させた。 【結果】プログラムの枠組みは、以下の通りである。 1.目的:相手の人格を侵害する行為が暴力であると認識できること、異性との関係において、問題・解決の方法として暴力を用いない行動を選択できる。 2.内容:配偶者間暴力の実態、暴力に関する理論、暴力が被害者に与える影響、日頃の生活の中で自分の行動を振り返る、相談機関の紹介等を含んでいる。 3.実施者:研究者、および地域で実際に暴力被害者の相談に携わっている女性相談員、警察官、シェルター職員などが協力して行うものである。 4.視点:男性も女性も加害者、被害者になりうるというジェンダーニュートラルの視点に基づくものである。 5.方法:講義、グループワーク等の手法を用い、回数は1回限りのプログラムではなく、フォローアップを視野に入れた複数回に渡るプログラムである。
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