2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14771370
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
渡邉 久美 岡山大学, 医学部, 助手 (60284121)
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Keywords | カテキン / 白癬菌 / 抗菌作用 / 殺菌作用 / 緑茶 / 木酢液 |
Research Abstract |
白癬症に緑茶を用いた入浴や清拭が有効との報告があるが、有効濃度や接触時間などの詳細は明らかではない。今回、緑茶成分の白癬菌に対する抗菌・殺菌作用を明らかにした。 白癬菌株はTrichophyton mentaprophytes, Trichophyton rubrumを用いた。緑茶抽出液は5gの茶葉を100℃の湯100mlで10分間抽出し用時希釈して用いた。菌の調整:TrichophytonはSabouraud変法寒天斜面培地に37℃で10日間培養し、菌濃度は比濁計で90%透過度になるよう調整した。 抗菌テスト:Sabouraud変法寒天斜面培地に20%、30%、40%、50%の緑茶抽出液を加え培地を作成した。これらの培地に、1×10^<6-7>/mlの調整菌液を5μlずつ5か所にspot法によって接種し、30℃で培養し14日間発育を観察した。殺菌テスト:25%、50%、75%、90%の緑茶抽出液を加えて2倍濃度に調整したSabouraud変法液体培地に2×10^5/mlの分生子を接触させ30℃で培養した。経時的にSabouraud変法寒天培地にした菌液を5μlずづ5か所にspot法によって接種し菌の発育を観察した。 抗菌作用:20%、30%、40%緑茶混入培地では3日目にT.mentagrophtes、T.rubrumで菌の発育が見られ、50%濃度の緑茶抽出液を混入した培地では見られなかった。殺菌作用T.mentagrophtesは25%緑茶抽出液添加培地では48時間の接触で、50%、75%、90%緑茶抽出液添加培地では24時間の接触で菌の発育が見られなかった。T.rubrumは、25%、50%、75%、90%緑茶抽出液添加培地で、48時間接触時点でも3日目に菌の発育が認められた。 木酢液の白癬菌に対する効力に着目して同様の実験を行い、緑茶以上の抗菌・殺菌作用が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 住吉和子, 渡邉久美他: "白癬菌に対する緑茶の抗菌・殺菌作用"第22回日本看護科学学会学術集会講演集. 235 (2002)
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[Publications] 渡邉久美, 住吉和子他: "白癬菌に対する木酢液の発育抑制・殺菌作用"第22回日本看護科学学会学術集会講演集. 234 (2002)