2002 Fiscal Year Annual Research Report
造血器腫瘍患者の造血幹細胞移殖前後の心理過程に沿った看護援助の検討
Project/Area Number |
14771411
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
坪井 桂子 岡山大学, 医学部, 助手 (80335588)
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Keywords | 看護 / 造血幹細胞移植 / 白血病 / 造血器腫瘍 / 患者心理 |
Research Abstract |
目的:造血幹細胞移植前・移植後の時期において、造血器腫瘍患者の心理状態を明らかにしたうえで看護援助の検討を行う。 方法:27歳〜63歳の造血器腫瘍患者(白血病)5名の対象者に移植前のインタビューを2002年7〜2003年1月に実施した。移植後のインタビューは、3名の対象者に2002年12月〜2月に実施したインタビュー内容は、移植前には、病名告知時の気持ち移植に対する思いについて、移植後には、移植を受けた後の気持ちや移植後の移植に対する印象の変化、医療者に対する思いなどの内容を含む半構成的なインタビューガイドを用いて行った。分析は、逐語記録を意味内容ごとに類型化し整理していき、文脈ごとに気持ちを表すタイトル名をつけた。移植前後の心理的状況を分析するために対象者ごとの結果を分析しており、現在、1名の対象者の分析を終えた段階である。今後はさらにデータ収集と分析を進める予定である。 結果:移植前の心理状態として、何が起こるかわからない不確実な要素が存在する移植治療への不安や万が一家族が残された場合のことを考え移植治療にすべてをかけて臨めないといった迷いなど不安な気持ちが抽出された。しかしながら、前向きに気持ちを切り替え臨もうとする思いも同時に抽出され、迷いと決意の中で移植を受けようとする心理状態が明らかにされた。移植後には、ドナーへの感謝の気持ちが挙げられる一方でたとえ移植が成功しても再発を懸念する気持ちが明らかになった。これらの結果から、看護師は、患者が移植への不安を少しでも軽減し臨めるように気持ちを語りやすい状況を努めてつくることや現実的な移植への期待をもてるように思い込みの確認や調整を行っていくなどの看護援助の必要性が確認できた。
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