2002 Fiscal Year Annual Research Report
歩行パターンの変動を計測する手段としての視覚的評価利用の可能性
Project/Area Number |
14771423
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
滝澤 恵美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (70325976)
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Keywords | 視覚的評価 / 転倒 / 歩行パターン / 変動 |
Research Abstract |
本研究は,高齢者や障害を持つ者の転倒を予測する新たな評価変数として報告されつつある歩行パターンの変動の大きさが、視覚的、観察的評価による「歩行中のふらつき」「不安定感」と関係するのか、また視覚的評価によって歩行パターンの変動の大きさを判定することが可能であるかを検討することである。そこで、初年度は文献による情報収集、研究対象地域となる在住高齢者の転倒に関する予備調査等を行なった。 1.歩行パターンを視覚的に評価する方法に関する文献検討 歩行の視覚的、観察的評価(Observational Gait Analysis)に関する過去の研究を調べた。歩行の観察的評価は、関節の角度および歩幅等の運動学的変数を中心に正確性や信頼性が調べられている。しかし、本研究の対象変数である歩行パターンの変動を観察によって評価した報告はなかったため、評価スケールの検討を現在も引き続き行っている。 2.調査対象地域在住高齢者の転倒調査 調査対象地域の高齢者の転倒発生状況を知ることを目的に行った。対象者は地域のコミュニティーセンターで行った体力測定に参加を希望した高齢者64名であり、過去一年間の転倒経験と転倒不安(fear of falling)に関するアンケート調査を面接により行った。転倒経験が1回以上あった者は19名であり、うち3名が転倒に起因する通院や活動制限を経験していた。転倒不安の調査は、TinettiのFall Efficacy Scale(1990)をHillら(1996)が修正した対象動作14項目のModified Falls Efficacy Scaleを参考にした。結果、転倒することなく動作を遂行する自信の程度を4段階スケールで自己評価してもらったところ、特に「立ったまま洋服を着たり脱いだりする」「玄関や勝手口の段差をまたぐ」に自信の低下を認めた。
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