2002 Fiscal Year Annual Research Report
月経周期が正弦波状運動時の呼吸循環および体温の応答に及ぼす影響
Project/Area Number |
14780013
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
曽根 涼子 山口大学, 教育学部, 助教授 (50271078)
|
Keywords | 性周期 / 非定常運動 / 運動トレーニング / 呼吸循環機能 / 主観的運動強度 / 深部温 |
Research Abstract |
本研究では、正弦波状運動中の呼吸循環機能、主観的運動強度(RPE)および体温の応答に対する月経周期および運動トレーニングの影響について検討することを目的とした。定期的に運動トレーニングを行っている女子大学生8名(T群)と一般女子大学生9名(Un-T群)を被検者とした。運動強度が10〜60%V^^・o_2reserve間を正弦波状に変化する運動を卵胞期と黄体期に各1回行った。運動の周期は8分とし、続けて3周期行った。測定項目は、心拍数(HR)、酸素摂取量(V^^・o_2)、RPE、および食道温(Tes)であった。各パラメータについて、1運動周期に対する平均応答曲線を求め、振幅(最高値と最低値の差)および運動負荷曲線からの位相遅れ時間を計測した。 主な結果は以下のとおりである。 1.HRの振幅は卵胞期より黄体期の方が有意に小さかった(p<0.05)。Tesにおいては、黄体期の方が振幅は大きく、位相遅れ時間は短い傾向があった。V^^・o_2およびRPEの振幅および位相には月経周期の時期による差はなかった。 2.月経周期の両時期において、HRはUn-T群よりT群の方が振幅は大きく、位相遅れ時間は短かった(p<0.05)。V^^・o_2は位相遅れ時間がT群の方が短かった(p<0.05)。RPEは振幅がT群の方が大きかった(p<0.05)。Tesには群間に差はなかった。 以上のことから、正弦波状運動中におけるHRの振幅応答は卵胞期より黄体期の方が悪く、体温維持能力は黄体期の方が低い傾向があるといえる。また、運動トレーニングによって正弦波状運動中におけるHR、V^^・o_2、およびRPEの応答性は月経周期の両時期において改善されることが示された。
|