2002 Fiscal Year Annual Research Report
伸張-短縮サイクル運動理論を応用した筋力トレーニング機器の開発
Project/Area Number |
14780017
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
図子 浩二 鹿屋体育大学, 体育学部, 助教授 (70284924)
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Keywords | 伸張-短縮サイクル / 筋力トレーニング機器 / 開発 / トレーニング効果 |
Research Abstract |
伸張-短縮サイクル運動理論を応用した筋力トレーニング機器を作成した。この機器は、可変式電動モータと回転カムおよびシャフト軸を利用した負荷装置部、力計測部、身体を固定するラック部からなる。負荷装置部は、電動モータの動力をペダルへ伝達し、脚の伸展を妨げる力を与えるようにし、最大出力5KNが発揮できる。ペダルは左右に取り付けられ、往復運動を行うようになっている。1ストロークの速さは15〜120回/分の間で調整ができ、ストローク長は100〜200mmの間で調節ができるようになっている。一方、計測部には被験者が負荷に逆らって脚を伸展させる力をロードセルで測定し、力をリアルタイムでパソコンに転送することができる。これまでの筋力トレーニング機器とは異なり、ある負荷に対して、自分で力を能動的に発揮するのではなく、押してくる負荷に対して、受動的に力を発揮する仕組みになつている。これによって、自分の発揮できる力よりも、大きな力を発揮させることが可能になり、高いトレーニング効果が期待できる装置である。 この負荷装置を利用すれば、スポーツアスリートから一般人、そして高齢者などの福祉の対象になる人まで、様々な効果が期待できる。そこで、トレーニングも運動処方に用いる前に、基礎的なデータを入手することが必要になる。まず、ストローク速度を変化させた場合には、"力は伸張速度に依存する"という基礎理論が当てはまるかどうかについて検討した。その結果、下肢のピストン型のクローズド運動では、ある一定の速さまでは当てはまるが、それ以降は低下傾向を示し、力発揮のための最適速度が個々に存在することが認められた。一方、ストローク長は短いほど、力-関節角度の関係も影響することから、高い力が発揮できることが認められた。今後は、この装置を用いて、スポーツアスリートと一般人を対象にして、トレーニング実験を行い、その有効性について検証していく予定である。そして、その結果を総合的に考察することによって,伸張-短縮サイクル運動理論を応用した筋力トレーニング機器の有効性と,その方法を用いる場合の原理および原則について提示していくつもりである。
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