2002 Fiscal Year Annual Research Report
運動器疾患に対する予防効果を目的とした自発運動による運動器結合組織の変化に関する基礎的検討
Project/Area Number |
14780023
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
中里 浩一 日本体育大学, 体育研究所, 講師 (00307993)
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Keywords | コラーゲン / 遺伝子発現 / 自発運動 / 骨格筋 / 運動療法 |
Research Abstract |
本研究は整形外科的疾患の予防あるいは治療における運動療法の意義の理解を最終的な目的として,本平成14年度は成熟齢ラットを対象に回転ケージによる自発運動を行なわせ非運動群を対象として比較することにより,持続的な運動が骨格筋におけるI型コラーゲンmRNA発現に与える影響を検討した. 対象は15週齢のウィスター系ラットとし,回転ケージによる自発運動を5週間行なった.5週間の実験期間の後,下腿骨格筋を摘出し総RNAを抽出した.特に今回は結合組織が最も豊富とされているヒラメ筋を対象とした.I型コラーゲンmRNA分析にはノザンブロット法を用いた.プローブはDIGラベルしたcRNAプローブとし,化学発光法を用いた.シグナルは冷却CCDカメラにて検出し,発光量を求めることでI型コラーゲンmRNA量を定量した.発現量の内部標準として18SrRNAを用い,18Sとの相対値を発現量の評価に用いた. 5週間の実験期間中1週あたりの走行平均距離は23.0±12.7kmであった.走行群の方が対照群と比較して体重が有意に低値を示した(ρ=0.016).筋重量(ρ=0.095),筋線維径(ρ=0.130)共に走行群の方が高値であったが,有意差は観察されなかった. 走行群および対照群のヒラメ筋より抽出した総RNAのI型コラーゲンmRNAのノザンブロッティングの結果,走行群の相対値は0.26±0.11であり対照群は0.21±0.09であった.走行群の平均値は対照と比較して高値であったが,有意差は観察されなかった(ρ=0.431). 以上の結果から,5週間の持続的な運動によりI型コラーゲンmRNA発現量は増加する傾向があり,結果的にI型コラーゲン代謝回転を促進する可能性があると結論した.
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Research Products
(1 results)