2002 Fiscal Year Annual Research Report
運動による高齢者の転倒防止および健康促進〜生涯スポーツへの可能性
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14780031
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
熊谷 賢哉 長崎国際大学, 人間社会学部, 講師 (30341572)
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Keywords | 高齢者 / 筋力 / バランス能力 |
Research Abstract |
平成14年度は主に以下のようなことを行った。 (1)過去のデータの再検討 (1)高齢者の筋力とバランス能力の関係 26名の高齢者(75.5±83才)を対象に下肢の筋力測定およびバランス能力の関係を検討したところ、股関節の屈曲筋力および外転筋力と動的バランス能力の間に関係がみられた。 (2)筋力トレーニングによる中高年者のバランス能力の変化 21名の中高齢者(53.7±7.2才)を対象に膝伸展トレーニング(週2回、10週間)を負荷し、その前後で筋力およびバランス能力の測定を行ったところ、最大挙上重量の増加とともにバランス能力が向上した。一方、筋量に変化はみられなかった。 (2)パワーリハビリテーション研究会に参加 (1)パワーリハビリテーションとは? 虚弱な高齢者の行動変容を目的としたマシントレーニングで、筋力増加を目的とした筋力トレーニングとは異なる。 (2)パワーリハビリテーションの効果 全身にわたる低負荷(Borgの主観的運動強度11)トレーニング(週1〜2回、2〜3ヶ月)により、筋力、バランス能力が向上する。 (3)14年度の研究の考察 中高年者を対象とした筋力トレーニングにおいて、筋力は増加したが、筋量は増加しなかった。さらに低負荷で行うパワーリハビリテーションにおいて筋量の増加が起こるとは考えがたい。筋力増加は神経系の適応によるものであると考えられ、この適応によりバランス能力が向上した可能性が示唆される。
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