2004 Fiscal Year Annual Research Report
スイムキャップが及ぼす水泳時の体温調節反応と泳パフォーマンスへの影響
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14780037
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Research Institution | Beppu Mizobe Gakuen College |
Principal Investigator |
松波 勝 別府溝部学園短期大学, 家政学部, 講師 (80258566)
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Keywords | スイムキャップ / 頭部表面温度 / 口腔温 / 鼓膜温 / 温度感覚尺度 / 泳パフォーマンス |
Research Abstract |
本研究では、スイムキャップの特性が、最大努力泳時の体温調節反応とパフォーマンスに及ぼすし影響について調べることを目的とした。男子大学競泳選手10名を被験者とし、市販されている防水性のあるキャップ(waterproof cap : WP)及び防水性のないキャップ(non-waterproof cap : NWP)による最大努力の1500m泳を水温29.4±0.2℃の50m屋内プールで実施した。被験者は、温度センサーを前額面(Tfh)及び後頭部(Toc)に着け、運動中の頭部表面温度の変化を1分毎に記録した。深部温として鼓膜温(Tty)及び口腔温(Toral)をテスト泳前後に測定した。また、体幹と頭部の温度感覚尺度(TSB及びTSH)及び主観的運動強度(RPE)の測定をテスト泳終了直後に行った。 テスト泳終了後のTfhは、WPが34.10±0.77℃、NWPが32.95±0.76℃であった。また、TocはWPが31.50±1.08℃、NWPが29.90±0.99℃であった。Tfh,TocいずれにおいてもWPの方がNWPと比較して有意に高い値を示した(P<0.05)。運動終了後のToralとTtyについては、WPとMPにおいて有意な差は見られなかった。TSBとTSHについてはNWPではTSBの方が高く、WPではTSHの方が高い結果を示した。しかし、その差は有意ではなかった。泳パフォーマンスを示す平均泳タイムについては、WPが17:13.8±27.2sec、NWPが17:03.5±27.1secとNWPの方が有意に速い結果を示した(P<0.05)。 これらの結果から、競泳競技で規定されている水温条件(25〜28℃)の上限付近での800mや1500mなど長時間競技する種目では、NWPを着用することで泳パフォーマンスの低下を抑えることができると考えられる。また、トライアスロンやオープンウォーターなどにおいても高水温環境で競技が行われる場合、NWPの着用が泳パフォーマンスに対して有効な選択であると示唆される。
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Research Products
(1 results)