2002 Fiscal Year Annual Research Report
RS・GISを用いた奈良における犯罪分布の空間分析に関する研究
Project/Area Number |
14780046
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
石崎 研二 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (10281239)
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Keywords | GIS / リモートセンシング / 空間分析 / 犯罪分布 / 奈良 |
Research Abstract |
今年度の研究実績は以下の通りである. 1)犯罪分布を分析するためのRS・GIS技術に関する既往研究を整理して,空間分析の手法に関する研究の枠組みと分析手順の確立を図った. 2)研究補助としてアルバイトを用いて,平成5年〜平成14年の10年分の奈良新聞の中から犯罪に関する記事をすべてリストアップし,必要な箇所を複写した.さらに複写した記事から犯罪発生の日時・場所等に関するデータベース化を現在進行中である. 3)奈良市の住宅地図データを購入し,すでに所有済みの土地利用データおよび数値地図等と重ね合わせ,GIS上で利用できる物的環境特性に関する空間情報データベースを構築した.2)でデータベース化した一部の犯罪発生データと重ね合わせ,犯罪発生と環境特性との関連性を分析しうるシステムの有用性を確認した. 4)すでに所有ずみの国勢調査等の統計データと3)で構築した空間データとをリンクし,奈良市における住民の社会・経済的特性を把握しうる社会地図を作成した.その結果,奈良市においては,住民の社会・経済的特性の分布には地域的差異が認められること,それら地域的差異と犯罪発生との間に直接的な因果関係を想定することは早急であるものの,犯罪発生のメカニズムを理解する上で重要な情報とみなせることなどが示唆された. 5)以上の作業内容は継続して進行中であり,部分的な成果はあるものの,本格的な分析を行なうためには,完全なデータベース化を待たなければならない.
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