2003 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度衛星画像から作成したDEMを用いた地形災害モニタリングに関する研究
Project/Area Number |
14780059
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中山 大地 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (90336511)
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Keywords | 数値地形モデル / DEM / 衛星画像 / 地理情報システム / デジタル写真測量 / 泥流シミュレーション / 三宅島噴火 / 土砂生産モデル |
Research Abstract |
昨年度に続き,本年度は噴火に伴う泥流流出に関して数値シミュレーションを行なった. 昨年度は空中写真判読を行ない,実際の泥流分布図を作成したが,今年度はこの泥流分布図と数値標高モデル(DEM),レーダーアメダス解析雨量データ,降灰分布図を用いて泥流分布シミュレーションを行なった.このシミュレーションは以下の3個のモデルから構成されている.(1)土砂生産モデル:これはレーダーアメダス解析雨量とDEMと降灰データを用い,どの場所でどのくらいの土砂が生産されるか求めるモデルである.(2)流域平均土砂生産高計算モデル:これは土砂生産モデルのアウトプットとDEMを用いて,泥流が発生しやすい渓流を予測するためのモデルである.(3)Sediment Transport Index (STI):これはDEMから求めるもので,ある渓流のどの部分が土砂の堆積域になるかを判別するモデルである. これら3個のモデルを用い,実際の雨量データ,火山灰降灰データ,DEMを用いて2000年三宅島噴火での泥流発生状況をシミュレートしたところ,実際に泥流が確認されている渓流での泥流発生がシミュレートされ,堆積域に関してもほぼ現実の堆積域をシミュレートすることができた.また,泥流発生が直接確認されていない渓流に関しても,本シミュレーションを用いることによって泥流が発生した可能性を示唆することができた.これらの成果については,3月に東京で行なわれる日本地理学会で発表を行なう.
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