2002 Fiscal Year Annual Research Report
地域情報化と家庭生活の融合に関する一考察―地域住民による地域情報化―
Project/Area Number |
14780067
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤田 優子 早稲田大学, 国際情報通信研究センター, 助手 (60339736)
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Keywords | 生活情報化 / 家族関係 / ライフスタイル / 福祉NPO / 女性福祉 |
Research Abstract |
近年e-Japan戦略において情報通信インフラ整備を重視した情報化が推進されている。今後の情報化戦略はサービスの質に重点を置き,ユーザー満足度の向上を成果と位置づける事が重要となり,同時に情報化の推進度評価の観点も変換すべきであろう。特に地域情報化を考えた場合,従来のインフラ整備に対する評価から行政サービスと住民満足度の有効性に対するミクロ的な観点による新たな評価が必要であると思われ,その指標作成を試みる事とする。 まず住民ニーズとしてその地域における課題を抽出し「地域課題の設定」を行う。次に解決ツールとしてIT利用可・不可を考え,それに応じて「仮想行政サービス」を設定し重要度調査を行う。その結果重要度が高ければ指標となる「生活情報化指標」を作成する。今年度は予備調査を行い,調査対象を東海地域内の福祉関係特定非営利法人(以下NPO)とした。住民ニーズを生かしミクロな観点での活動を行っている事からNPOに焦点を当て,又福祉関連NPOが比較的早くに始動し地方性があるという理由から東海地域を選択した。調査方法は施設視察時における聞取調査とした(計8団体)。 結果は(1)地域課題がIT化分野に属するものが多い為,地域情報化推進の可能性が高い,(2)NPOは住民ニーズに対し即座に対応している現状があり,住民ニーズの集約場としての存在価値が高い,(3)NPOを介す事により地域特性も存在,(4)行政との協働が進んでいるNPOもあり行政への提言も容易,であった。又NPO先進国であるアメリカにも調査に出向き,NPOと行政の協働による行政サービスの提供の現場も確認した(計11団体)。 結論として「生活情報化指標」を作成する上でNPOとの協働は有益であり,今回の予備調査で確認した事象を踏まえ統計的解析をはかる為にも量的調査を行う事を今後の課題とする。 なお第17回日本社会情報学会全国大会にて発表を行った。
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