2002 Fiscal Year Annual Research Report
ツタンカーメンのエンドウの色素関連成分の機能性および応用に関する研究
Project/Area Number |
14780070
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
磯部 由香 三重大学, 教育学部, 助教授 (80218544)
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Keywords | ツタンカーメン / エンドウ / 色素 / 安定性 / ポリフェノール |
Research Abstract |
「ツタンカーメンのエンドウ」とはツタンカーメンの墓から発見されたと言われている鞘が紫色のエンドウである。この豆には加熱により着色が増強される色素成分を含むという独特の性質をもつ。ツタンカーメンのエンドウの色素の特徴を活かして、加工食品あるいは新規の天然色素として応用するために、本年度は、まず、様々な条件下における色素の安定性について検討を行った。その結果、抽出試料を100℃で30分間加熱して着色した試料をpH調製すると、酸性では、pHが低くなるほど、色素成分が多く沈殿する傾向が見られ、pH9ではa値が、pH11ではa値、b値の両方が増加した。加熱着色後の試料こ酸を添加すると、沈殿が生じ、遠心した上清の520nmにおける吸光度は無添加の場合の10〜20%に低下した。加熱着色後の試料に糖を添加しても、ほとんど添加の影響は見られなかった。加熱着色後の試料に塩類を添加すると、Na、K、Ca、Mgの添加ではa値が増加し、b値が減少した。また、Na、K、Caでは、L値20程度増加し、明るい色調に変化した。ZnおよびAlでは、a値、b値ともに減少した。CuおよびPbの添加ではわずかに沈殿が生じた。Feは他の塩類と挙動が異なり、a値およびb値がいずれも減少し、暗藍色に変化した。次に、色素関連成分の分析を行った。熱水抽出試料中には多くのポリフェノールが含まれていたので、イオン交換樹脂により分画を行ったところ、樹脂に吸着されるポリフェノール成分が着色に関与していることが明らかとなった。なお、含まれるポリフェノール成分組成については高速液体クロマトグラフィー等で現在検討中である。
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