2002 Fiscal Year Annual Research Report
食品中に含まれる抗酸化成分の栄養補助食品としての利用とその相互作用
Project/Area Number |
14780082
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
村上 恵 近畿大学, 農学部, 助手 (80340769)
|
Keywords | Antioxidative activity / Ascorbic acid / α-Tocopherol / Polyphenolic compounds / Synergistic effect / Additive effect |
Research Abstract |
ポリフェノール化合物の活性酸素消去活性に対する抗酸化ビタミン(アスコルビン酸およびトコフェロール)の影響について、DPPH-HPLC法とリポソーム酸化法を用いて評価をおこなった。ポリフェノール化合物としては、エピガロカテキンガレート(EGCG)、エピカテキンガレート(ECG)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキン(EC)、カテキン、ケルセチン、ルチン、ケルシトリン、ケンフェロール、ケンフェロール-3-グルコシド、シアニジン、シアニジン-3-グルコシド、ダイゼイン、ゲニステイン、ダイジンの標品を用い、抗酸化ビタミンとして、L-アスコルビン酸、α-トコフェロールの標品を用いた。その結果、DPPH-HPLC法においては、カテキン類とアスコルビン酸およびトコフェロールを混合することによって活性の上昇が認められたが、有意な差ではなかった。その他のポリフェノール化合物については、相加的な作用が認められた。リポソーム酸化法では、アスコルビン酸を反応系に加えていたことから、アスコルビン酸に活性酸素消去活性は認められず、ポリフェノール化合物の活性に対しても影響を及ぼさなかった。一方、ポリフェノール化合物とトコフェロールを混合した場合、シアニジン、ECG、EGCで相乗作用が認められた。また、ケルセチン、ケンフェロール、シアニジン、ECG、EGCGは高い活性が認められたため、さらに濃度を1μMにまで希釈し混合したところ、ケルセチン、ECG、EGCGに明らかな相乗作用が認められた。従って、単一では活性が微弱であっても、複数の成分が混合することによって、相乗的に作用が発揮されることが明らかとなった。さらに、生体内でアスコルビン酸がトコフェロールを再生するように、ポリフェノール化合物とトコフェロールにおいても同様の作用が見られる可能性が示唆された。
|
-
[Publications] M.Murakami, T.Yamaguchi, H.Takamura, T.Matoba: "Effects of Ascorbic Acid and α-Tocopherol on Antioxidative Activity of Polyphenolic Compounds"Journal of Food Science. (in press).