2002 Fiscal Year Annual Research Report
野菜類の調理過程におけるラジカル捕捉能の挙動に関する研究
Project/Area Number |
14780083
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
坂本 千科絵 兵庫大学, 健康科学部, 助手 (20299241)
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Keywords | フリーラジカル / ブロッコリー / DPPH法 / アスコルビン酸 |
Research Abstract |
近年,フリーラジカルを捕捉または消去する物質を含む食品を摂取することで,各種の疾病を予防することが期待されている。そこで,実際人間が食物を摂取する場合に欠かせない調理操作を行うことによるラジカル捕捉能への影響・その挙動を検討するため,本年は基礎となる実験を行った。 ブロッコリーには,ラジカル捕捉能を持つと報告されているアスコルビン酸が多く含まれている。しかし,野菜類のアスコルビン酸の挙動に関する報告は多数あることから,本研究ではブロッコリー内のラジカル捕捉能を持つ物質の中でもアスコルビン酸以外の物質を検討するため,アスコルビン酸をEPLC法で簡便に定量し,DPPH法によるラジカル捕捉活性の測定後,アスコルビン酸の影響を除去することにした。 一般にアスコルビン酸を抽出する際に用いるメタリン酸はDPPH試薬に影響を与えるため,抽出溶媒に酢酸エチル,エタノール,メタノール,Tris-HC1,TTBを用いて,アスコルビン酸の抽出を試み,同時にラジカル捕捉活性を持つ物質の各種溶媒に対する抽出効率を検討した。その結果,アスコルビン酸は,上記の溶媒では微量に検出されるかまたはほとんど検出されなかった。ラジカル捕捉活性を持つ物質はメタノールおよびTris-HC1に比較的多く抽出された。これとは別に,アスコルビン酸はメタノールに溶けず,Tris-HC1で溶解したものは3日ほどでほとんど分解されることも分かった。 したがって,来年度はメタノールおよびTris-HC1で抽出を行うことでブロッコリー中のアスコルビン酸以外のラジカル捕捉活性を持つ物質の調理操作による影響やその挙動が検討できることとなった。
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