2002 Fiscal Year Annual Research Report
刺激因子を加えた新規神経細胞培養法の検討と新規培養系での学習記憶促進因子の影響
Project/Area Number |
14780087
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Research Institution | Fukushma Junior College |
Principal Investigator |
南 江美子 福島学院短期大学, 食物栄養科, 副手 (50320619)
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Keywords | 海馬 / 神経細胞 / 初代培養 / DHA / カリウム / 刺激 / 培養法 |
Research Abstract |
ラット胎仔の海馬神経細胞を7日間培養し、K+刺激の添加方法として、培地にKClを添加する濃度および頻度を検討した。まず、培地の種類として、DMEM培地(グルタミン酸不含、(A))、DMEM/F-12培地(グルタミン酸含有、(B))の2種類、刺激を添加する濃度として、25mM添加(C)、50mM添加(D)の2段階、刺激を添加する頻度として、連続刺激(E)、毎日1回2分間刺激(F)、2日に1回2分間刺激(G)の3段階を設定した。そして、(A)〜(G)の条件を組み合わせた12区とその対照区で培養を行った。 その結果、培地については、培養初期(0〜3日)では、両培地に差はみられなかったが、4日以降の(A)では、培養状態に安定がみられた。刺激濃度については、コントロールよりも、刺激添加区の方が、神経細胞の分化、ネット形成が良かった。また、(C)および(D)では、(C)の方が良いようにみえた。刺激頻度については、(E)、(G)、(F)の順に培養の状態がよかった。 よって、D/F培地では、低K^+(25mM)を添加した培地で培養した区が最も細胞数が維持されていた。また、DMEM培地では、高K^+(50mM)を2日に1回添加した区が最も細胞数の維持が良かった。培地は、生体内の環境に近い状態で比較的長い代謝を追っていくためには、ストレスなどの反応穏やかであり、細胞数の変動が比較的少なかったDMEM培地の方が適していると考えられた。添加方法については、D/F培地では、刺激添加操作(細胞を培地から出し入れする操作)自体の影響が大きく出てしまったものの、DMEM培地では、50mMK+の刺激を2日に1回添加する方法において、K^+の細胞維持の効果があると考えられる。今後はさらに、酵素活性や神経伝達物質などの生化学的な指標を用いて、神経細胞の機能にどのように影響しているのかを検討する必要があろう。
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Research Products
(1 results)