2003 Fiscal Year Annual Research Report
全体論の立場からの中学校数学の導入過程の構成に関する研究
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14780097
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
岡崎 正和 上越教育大学, 学校教育学部, 助手 (40303193)
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Keywords | 中学校数学の導入過程 / 正負の数の加減 / 正負の数の乗除 / 文字と式 / 全体論 / 教授学的状況論 / 代数的思考のサイクル / 単元開発 |
Research Abstract |
全体論の立場から中学校1年の代数的内容の単元をデザインするための理論を構築し,正負の数の加減,乗除,文字と式の単元を現場の中学校教師と共同で開発し,実証的に検討した。 まず,算数から数学への移行に関する理論を学会誌に発表した。そこでは作図を事例として,算数での認識と中学校数学での認識の間に,移行期に相当する活動を適切に想定することによって,算数から数学への移行が成し遂げられ得ることを明らかにした。続いて,正負の数の加減の単元を事例として,全体論の視座からの単元構成のあり方について明らかにし,学会誌に発表した。そこでは教授学的状況論における行為の状況,定式化の状況,妥当化の状況という3つの状況に,代数的思考のサイクルの視点を加味することによって,全体論的に単元が構成されうることを明確にした。 次に,数学教育の国際会議において,中学校の代数的内容に繋がりうる,算数における小数の除法の理解過程の様相について発表を行った。ここでは小数の除法の理解を阻害するミスコンセプションが,逆と相反という2種類の可逆的思考の統合によって克服され,またその過程で中学校数学の認識へと思考様式が転化しうることを明らかにした。 さらに,正負の数の乗除と文字と式に関する単元開発を行い,算数の式から代数の式への接続プロセスの様相について学会で発表した。ここでは総合式を作り,分析するという視点から構想された学習活動の中で,式に関する重要なアイデアが生じ,それが数学的に高まる過程において,式が構造的に認識されるようになることを明らかにした。また,正負の乗除の単元で培われる認識を引き継ぎ,高めるような文字と式の単元構成のあり方について検討し,基本的な活動形態を明らかにした。
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[Publications] 岡崎正和, 岩崎秀樹: "算数から数学への移行教材としての作図-経験的認識から論理的認識への転化を促す理論と実践-"日本数学教育学会誌,数学教育学論究. 80. 3-27 (2003)
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[Publications] 岡崎正和: "全体論的視座からの正負の数の加減の単元構成に関する研究-教授学的状況論と代数的思考のサイクルの視点から-"全国数学教育学会,数学教育学研究. 9. 1-13 (2003)
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[Publications] Masakazu Okazaki: "Characteristics of 5th graders' logical development through learning division with decimals"Proceedings of the 2003 Joint Meeting of PME and PMENA. 413-419 (2003)
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[Publications] 岡崎正和, 黒田匠: "算数の式から代数の式への転換を促す正負の数の乗除の単元の再構成に関する研究"第36回数学教育論文発表会論文集. 157-162
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[Publications] 岡崎正和: "図形領域における算数から数学への移行過程について-図形の相互関係から図形の作図への系統性-"第36回数学教育論文発表会「課題別分科会」発表収録. 144-149