2003 Fiscal Year Annual Research Report
日・独学際的カリキュラムに関する比較フィールド研究・多元美学教育の日本への適用
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14780137
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
中地 雅之 東京学芸大学, 教育学部・音楽学科, 助教授 (30250640)
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Keywords | 音楽教育 / ドイツ語圏 / 即興表現 / 学際的カリキュラム / ことばと音楽 / 総合芸術 / 比較研究 / 俳句と音楽 |
Research Abstract |
本年度は、ことばと音楽の相互関連を図った即興表現を学際的カリキュラムの中核に置き、日本及びドイツでフィールド研究を行った。本年度の研究内容は、以下の3点にまとめられる。 1)教員養成大学における「50音による即興表現」の実践 音楽と言語の共通要素である<音>としてのことばに着目し、日本語の基本的音素材である<50音>を用い、東京学芸大学学生と大学院生を対象に即興表現のプロジェクトを実施した。研究に際し、ことばの領域の専門家としてはせみつこ氏の協力と助言を得た。次年度オーストリアで開催される総合芸術教育の国際学会において、本内容を発展させた研究発表が決定している。 2)「ことばと音楽による即興表現の教育的意義」に関するプロジェクト研究 前項の内容を、筑波大学附属小学校の熊木眞見子氏の協力を得て、小学校における授業実践へと展開した。これに本年度以前の研究内容を加え、ことばと音楽の未分化な表現が、それぞれの形式を獲得して分化し、さらに総合芸術的な表現へ発展するカリキュラムの系統性をモデルとして提示した。考察に際しては、東京学芸大学塩原麻里氏の協力を得た。本内容は、日本音楽教育学会のプロジェクト研究発表に採択され、神戸大学における口頭発表と同学会誌での論文発表をいう形で公表された。 3)俳句による音楽即興表現の日独比較フィールド研究 ドイツのWiesbaden専門大学Rita Rosen教授と共に、Wiesbaden及びMuensterで俳句の朗読と音楽による即興表現の発表を行った。また、ミュンヘン音楽大学のWolfgang Mastanak教授の協力を得て、同大学の学生を対象に同様のワークショップを実施した。さらに、東京学芸大学大学院生を対象に同実践を行い、日独2国におけるフィールド研究の結果を比較考察した。本内容は、次年度のスペインにおける音楽教育国際学会ISMEの研究報告発表に採択された。
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[Publications] 中地雅之, はせみつこ, 熊木眞見子, 塩原麻里: "ことばと音楽による即興表現の教育的意義"音楽教育学(日本音楽教育学会学会誌). 第33巻第2号. 58-71 (2003)
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[Publications] Barbara Dobretsberger, 中地雅之: "マール・オルフ「カルミナ・ブラーナ」における音楽語法.オルフ・シュールヴェルクへの展開"『子どものための音楽』通信(日本オルフ音楽教育研究会会報). 第23号(印刷中). (2004)
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[Publications] Michaela Scwarzbauer, Masayuki Nakaji u.a.: "Konflikt und Harmonie, Erziehen und Bilden mit Klaengen, Texten, Bildern und Szenen"Peter Lang Europaeischer Verlag der Wissenschaf, t Frankfurt am Main, Wien, Berlin, New York, Oxford u.a.. 232(185-198) (2003)