2003 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害者における「心的状態」の理解に基づく対人スキルの形成と般化
Project/Area Number |
14780138
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松岡 勝彦 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (70312808)
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Keywords | コンサルテーション / 対人スキル / 特別支援教育 / 軽度発達障害 / 応用行動分析 |
Research Abstract |
本年度は、研究実施計画に記載したとおり、通常学級に在籍し、発達障害が疑われる小学4年生の男児1名を対象に、学校場面において、教師やクラスメートとの対人スキルの改善をはかった。この研究は、対象児の在籍する小学校の学級担任との協働的関係に基づいた研究である(対象児の行動観察,担任への助言については,研究代表者が直接学校に出向く形式で行った)。 まず、小学校での様子を事前観察し、その結果に基づいて標的行動を決定した。その際には、学級担任の要望も十分に取り入れるよう配慮した。協議の結果、(1)他人の話を聞く態度、(2)授業中声を出しながらの背伸びとあくび、(3)クラスメートを含む他人の援助などに対して知らぬ顔をしている、といった3つの行動が標的行動とされ、適切な行動への変容を計画した。 介入においては、コンサルテーションの形式を採用し、教師に対して適切な指導方法の助言を行った。介入前は、上記の3つの不適切な行動は、かなりの頻度で生起していたが、介入を導入することによって、これらの行動は大きく改善し、現時点(フォローアップ期のデータ収集中)においてもこの傾向は維持されている。 なお、研究の実施にあたっては、保護者、学校に対するインフォームドコンセントを行い、研究の公表等(人権保護につとめること)に関して同意を得た。
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