2002 Fiscal Year Annual Research Report
運動部活動におけるライフスキル獲得プログラムの開発と実践
Project/Area Number |
14780155
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
上野 耕平 阿南工業高等専門学校, 一般教科, 講師 (20311087)
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Keywords | ライフスキル / 人格形成 / 生涯発達 / 運動部活動 / 青年期 |
Research Abstract |
来年度以降の運動部活動へのライフスキル獲得介入に向けて,本年度は介入プログラムの作成に多くの時間を割いた.そして,ライフスキルプログラムの中心的スキルとなる目標設定スキルについて,獲得介入のための「指導者用マニュアル」と「生徒用ワークブック」を作成した.さらに内容として,目標設定スキルの獲得にとどまることなく,目標を設定し達成していく過程に注目することで,参加者の現在の行動の意義を,過去・未来を含めた人生のなかで位置づける視点(生涯発達的観点)を養うことを含めた.これにより,ライフスキルの獲得に向けた取り組みを将来に向けた時間的展望の獲得に結びつけることが可能であり,単なるスキルの獲得という次元ではなく,人格の形成を目指す取り組みとして位置づけられるのではないかと考えられた. 本研究では,高等専門学校のサッカー部員(15名:内5名は統制群)を対象にシュートスピードの向上と,その過程においてライフスキル及び,生涯発達的観点(時間指向性による)の獲得を目指したプログラムを予行的な介入として実施した.介入は,部活動場面における目標設定スキルの獲得とライフスキルへの般化に関する講義が5回,講義内容に沿って生徒が作成した練習計画(ゴールラダー)に基づいた筋力トレーニングが12回(週3回×4週間)から構成された. その結果,介入前後に作成を求めた高校総体(部活動場面)と,学年末テスト(学校生活場面)に向けた目標設定に関する調査をそれぞれ比較したところ,介入後,目標は自分でコントロール可能な明確なものに,計画は段階が設定され時間を意識したものにそれぞれ変化し,介入の効果が窺われた.しかし,時間指向性に関する変化は不明確であり,プログラムの後半部分については改訂の必要性が認められた.
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Research Products
(1 results)