2002 Fiscal Year Annual Research Report
データの論理的解析に基づく効率的な知識獲得手法とその応用
Project/Area Number |
14780219
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀山 貴史 京都大学, 情報学研究科, 助手 (60314530)
|
Keywords | データの論理的解析 / 知識発見 / 計算複雑さ / 二分決定グラフ / 論理式 / 特徴集合 / FPGA / 論理関数の畳み込み |
Research Abstract |
情報化社会の発達にともない、クレジットカードや各種検査の結果などの多種多様なデータを、大量かつ容易に集めることができるようになってきている。このため、集められた膨大なデータからその傾向・規則性などの有用な情報を得る事を目的とした知識獲得の研究の重要性が様々な分野で指摘されている。本研究では、データと対応づけをした論理関数を媒介として、データの持つ論理的内容を知識として抽出することを目指している。 今年度は、まず、論理関数の構成・表現のために従来用いられていた論理式や特徴集合ではなく、二分決定グラフ(Ordered Binary Decision Diagrams)の利用の提案と、それらを知識ベースとして利用する上での比較を行った。また、知識発見アルゴリズムの計算複雑さに関する研究として、基本的な問題である単調関数とホーン関数の認識問題、論理式や特徴集合と二分決定グラフとの間の変換問題を取り扱い、多項式時間アルゴリズムを開発した。特に、ホーン関数を表す論理式と特徴集合の変換は、Hyper Transversal Hardとして知られる計算困難な問題であるが、二分決定グラフを中間データ構造として考えることで、入力・出力・中間データ構造の大きさに関する多項式時間で相互に変換が可能であることを示した。 自律学習機構を備えたハードウェアへの知識獲得手法の適用の基礎的な問題として、可変構造回路FPGAの回路構成の検討を行った。具体的には、論理関数の畳み込みを提案した。また、この手法をFPGAの構成要素であるLook Up Tableに適用して回路設計を行い、畳み込みのための付加回路が新たに必要になるにもかかわらず、ハードウェア量を効果的に削減できることを示した。
|
-
[Publications] T.Horiyama, T.Ibaraki: "Ordered Binary Decision Diagrams as Knowledge-Bases"Artificial Intelligence. Vol.136/2. 189-213 (2002)
-
[Publications] 梶原裕嗣, 堀山貴史, 中西正樹, 木村晋二, 渡邉勝正: "論理関数の畳み込みを考慮したLook Up Tableの設計と実現"Proc. IPSJ DA Symposium. 223-228 (2002)
-
[Publications] S.Kimura, T.Horiyama, M.Nakanishi, H.Kaiihara: "Folding of Logic Functions and Its Application to Look Up Table Compaction"Proc. International Conference on Computer Aided Design. (2002)
-
[Publications] T.Horiyama, T.Ibaraki: "Translation among CNFs, Characteristic Models and Ordered Binary Decision Diagrams"Information Processing Letters. Vol.85,No.4. 191-198 (2003)