2003 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミカルなニューラルネットワークとそのハードウェア実装に関する研究
Project/Area Number |
14780260
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
金丸 隆志 東京農工大学, 工学部, 助手 (10334468)
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Keywords | パルスニューラルネットワーク / 振動 / 同期 / カオス / デジタル回路 / FPGA |
Research Abstract |
本研究は生体の脳内で実験的に観察されている振動・同期・カオス現象に着目し、それらを「ダイナミカルな振舞いを見せるニューラルネットワーク」というキーワードでモデル化し、理解することを目的にし、さらにそのデジタル・ハードウェア化を視野に入れた研究を行っている。 「モデル化」に関しては、前年度の結果を踏まえて「振動・同期・カオス現象」のメカニズム解明を引続き行った。今年度は特に「振動・同期現象の結合形態依存性」に着目して研究を進めた。結合形態とは、ある素子から別の素子への情報(パルス)の伝わり方のことを指し、その時定数が振動・同期・カオス現象にどのように影響するかを調べた。その結果、時定数が有限(0ではない)状況では広いパラメータ範囲でカオスが見られることが明らかになった。さらに、今年度は用いるモデルをactive rotatorからcanonical modelと呼ばれるものに変更した。canonical modelは現実の脳内のダイナミクスとの対応が数学的に明らかであるという点で,active rotatorよりもuniversalで有利であると言える。すなわち、canonical modelで見られる現象を現実の脳へ対応づけることがより容易になった。 一方、今年度は「デジタル・ハードウェア化」に関しても研究が進み、FPGA上で動作するニューロンモデルの設計・実装を行った。現在、「三層ニューラルネットワーク」や「連想記憶」などのよく知られたニューラルネットワークモデルが単一FPGA上で動作している。これを大規模化して有用なアプリケーションを示すことが来年度の課題である。また、現状では「モデル化」研究で得られた知見を反映したハードウェア化にはなっていないが、これも今後の課題である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 金丸隆志 他: "Array-enhanced coherence resonance in the diffusively coupled active rotators and its analysis with the nonlinear Fokker-Planck equation"IEICE Transactions on Fundamentals. vol.E86-A, no.9. 2197-2202 (2003)
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[Publications] 金丸隆志 他: "Analysis of globally connected active rotators with excitatory and inhibitory connections using the Fokker-Planck equation"Physical Review E. Vol.67. 031916 (2003)
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[Publications] 金丸隆志 他: "class 1 ニューロンからなるネットワークのcanonical modelが見せる振動・同期現象"日本物理学会講演概要集. 第59巻第1号. 280 (2004)
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[Publications] 金丸隆志 他: "class 1 ニューラルネットワークのcanonical modelが見せる振動・同期現象"電子情報通信学会研究技術報告. Vol.103,No.732. 17-22 (2004)
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[Publications] 金丸隆志 他: "パルスニューラルネットワークが見せる同期振動の相互作用形態依存性"日本神経回路学会 第13回全国大会 講演論文概要集. 66-67 (2003)
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[Publications] 茂野聡登志 他: "Sw・Hw混載システムを用いたパルスニューラルネットワークのハードウェア化"電子情報通信学会研究技術報告. Vol.103, No.732. 135-140 (2004)