2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的アルゴリズムを用いた近似最適化手法の一般的設計指針とその応用のための基礎的研究
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14780266
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
永田 裕一 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (70334795)
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / Evolution Strategy / 交叉 / 実数値関数最適化 / 巡回セールスマン問題 / カメラレンズ設計 |
Research Abstract |
今年度の本研究課題において、(1)巡回セールスマン問題に対する効率的な交叉を開発するための一般的設計指針の構築、(2)レンズ設計問題におけるEvolution Strategy(ES)の適用とGenetic Algorithm(GA)との比較、を行った。 (1)に関して。巡回セールスマン問題に対する交叉の重要な性質として、親から子への枝の継承割合に着目し、この割合を調整することで優れた探索性能が実現することを示した。この設計指針に基づき、従来提案されているEdge Recombinationとよばれる単純な交叉を改良したところ、これまでに提案されているもっとも優れた交叉で得られる解と同等の質をもつ解を得られることがわかった。 (2)に関して。カメラレンズ設計問題を実数値最適化問題として定式化した場合において、従来はこのような問題では非常に多くの局所解が存在し、ESよりもGAの方が優れた探索性能を示すと考えられてきた。近年CMA-ESと呼ばれるESの一種が提案され単峰性のベンチマークにおいては優れた探索性能を示すことが知られていた。本研究ではCMA-ESをレンズ設計問題に適用することと、この問題に適した改良をCMA-ESに加えることで、GAに較べ1/40程度の計算コストでGAと同等の解の質を得られることを確認した。またレンズ設計問題のベンチマークにおいて従来知られている最良解に匹敵する解を効率的に発見できることを確認した。本研究ではさらに、レンズ設計問題をベンチマークとして用いた場合、非常に局所解の多い問題であるにもかかわらず、GAよりもESの方が優れた探索性能を示すことを示し、その原因についても言及した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yuichi Nagata: "The Criteria for Designing Crossovers for TSP"The 2004 Congress on Evolutionary Computation (CEC2004). (To be appeared). (2004)
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[Publications] Yuichi Nagata: "The Lens Design using the CMA-ES Algorithm"The Genetic and Evolutionary Computation Conference (GECCO-2004). (To be appeared). (2004)