2003 Fiscal Year Annual Research Report
3者対話の収集と分析に基づくネットワーク会話支援エージェントの構築
Project/Area Number |
14780287
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河野 恭之 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (90324970)
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Keywords | 音声対話 / ネットワークコミュニケーション / 対話コーパス / 話題生成 / 複数人対話 / 介入モデル / モバイルインターフェース / ユビキタスコミュニケーション |
Research Abstract |
本研究では,複数人の自由な対話における話題遷移の概念的関連性に基づく特徴について分析を行った.まず,話題転換の種類を話題間の主観的な距離を元に3種類に分類し,三者対話コーパスに対して話題分割を行い,話題転換タイプによるラベル付けを行った.その結果自由な対話(雑談)においては,現在の話題と概念的に中庸的な距離にある話題へと遷移するパターンが対話を活性化しやすいことがわかった. 次に,対話における話題を概念空間上で表現するために拡張概念表現(話題ベクトル)を定義し,既存の大規模シソーラス(EDR電子化辞書)により拡張概念辞書を作成した.この辞書を利用して,発話・話題間の概念的類似性を判別するシステムを構築し,話題転換点の分析を行った.その結果,話題転換点での発話・話題ベクトルの類似度には,話題転換の種類により統計的な傾向が見られた.しかしながら,シソーラス上での単語と概念表現の対応に曖昧性があること,人間同士のコミュニケーションにおいて一発話から得られる情報(発話単語数)が少ないことから,本手法は話題転換点及び転換タイプを判別する指標としては不十分であった. 本研究では更に,話題転換点と非転換点の分類において,発話される単語よりも具体的な概念での発話間のつながりの強さが影響することを示した.また,話題転換点のタイプ分類においては,発話単語よりも抽象的な概念での発話間のつながりめ強さが手がかりになることを示した.
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