2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780298
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
染谷 博司 統計数理研究所, 予測制御研究系, 助手 (00333518)
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Keywords | グリッド / 進化型計算 / 最適化 / 並列計算 |
Research Abstract |
まず、進化型計算のひとつであるGSAを仮想的なグリッド環境上に実装した。GSAは、親個体および子個体からなる家族を一世代につき三家族用いるが、集団の世代交代および探索履歴の管理等をマスターホストにて実行し、各家族内の操作をスレーブホストにて実行するように設計した。実装はJava RMIにより行い、家族内の操作は簡略化しスリープにより一定の計算時間を消費するようにしている。クラスファイルの転送にはグリッドの標準的なミドルウェアであるglobusのglobus-url-copyを利用し、スレーブホストでのライブラリの起動にはglobus-job-runを利用した。マスターホストとスレーブホストが同一であり通信による遅延を無視することのできる仮想的なグリッド環境上にて計算時間の短縮効果を調べたところ、ホスト数にほぼ比例した計算時間の短縮が可能であることを確認した。クラスファイルの転送には一定の時間を消費するが、スレーブホストでの計算時間が十分に大きい場合には無視できる程度であることを確認した。次に、他の研究プロジェクトである「科学研究費補助金特定領域研究Cゲノム情報科学(代表:高木利久)ゲノム情報科学高速化委員会(委員長:小長谷明彦)GRID環境構築ワーキンググループ」により構築され、実際に稼動しているグリッド環境であるOBIGrid上にて同様の実験を行った。ただし、マスターホストには研究室内の計算機を利用し、スレーブホストには理化学研究所ゲノム科学総合研究センター内の計算機を利用している。仮想的なグリッド環境と比べ、通信遅延による計算時間の増大は発生するものの、単一計算機における進化型計算と比べると、計算時間を短縮することが可能であることを確認した。なお、これらの成果は2件の口頭発表にて公表している。
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