2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780313
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
竹内 孔一 国立情報学研究所, 人間・社会情報研究系, 助手 (80311174)
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Keywords | 語彙概念構造 / 語彙意味論 / lexical conceptual structure / 複合名詞 / 言語学 / 複合名詞解析 / compound noun analysis |
Research Abstract |
語構成に関与する意味記述の理論的アプローチとして,語彙概念構造が言語学の分野で最近発展してきている.先行研究において,語彙概念構造が複合名詞解析モデルに有用な意味記述となりえる見通しが得られたため,本研究費用を利用して,モデルの基本となる語彙概念構造の付与をより広い単語に対して付与し理論の検証,また語彙意味付与技術の確立を目標とした. 本科研費用を利用した言語学を専攻する知識提供者との共同作業で,約500語のサ変名詞について語彙概念構造の付与を行った.初年度である今年度は付与技術における問題の整理から始めた.その結果,当初予定した枠組みで多くのサ変名詞に語彙概念構造が付与可能であること,特に言語学上でよく使われる言い回しによる判定が有効に働いたことがわかった.しかしながら,語彙概念構造付与に直接結びつく,アスペクト分析と動詞の項の決定において,言い回しでは捉えられない部分があり,問題であることが明らかになった.具体的には継続動作における終了点の状態の解釈で,通常終了状態は文章上の「に」格相当でさせる場合が多いが,「に」格自身の定義が理論上まだ解決していないことから,最終的な判断は人間の印象に頼る必要があることが明らかになった.この部分においては次年度の作業前に理論的かつ現実的解決案を提示する予定である.しかしながら当初心配された語彙概念構造の種類の著しい増加はみられなかった. 研究成果発表の実績として本費用を利用して用語に関する国際会議COMPUTERM2002に本研究の発表を行うことができた.さらに,本費用を利用して情報処理学会論文誌に研究成果を公表することができた.また,理論研究分野への寄与として日本英語学会で本研究内容を発表し処理モデルからの理論の問題点について議論した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 竹中孔一, 内山清子, 吉岡真治, 影浦峡, 小山照夫: "語彙概念構造を利用した複合名詞内の係り関係の解析"情報処理学会論文誌. 43巻・5号. 1446-1456 (2002)
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[Publications] Koichi Takeuchi, Kyo Kageura, Teruo Koyama: "An LCS-based Approach for Analyzing Japanese Compound Nouns with Deverbal Heads, Second International Workshop on Computational Terminology"Proceedings of the 2nd International Workshop on Computational Terminology(COMPUTERM2002). 64-70 (2002)