2002 Fiscal Year Annual Research Report
社会的ジレンマにおける時間・空間構造と、協力ルールの形成・発展メカニズム
Project/Area Number |
14780342
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
秋山 英三 筑波大学, 社会工学系, 講師 (40317300)
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Keywords | 社会的ジレンマ / 協力 / ゲーム理論 / 力学系 / 力学系ゲーム / 進化ゲーム論 / 時空構造 / ルール形成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、増減する資源を巡って争うプレーヤーによる社会的ジレンマ状況でのルール形成の可能性、協力可能性の問題を取り扱うことである。今年度は、多数のエージェントと資源のダイナミクスを計算機プログラムとして実装し、社会的ジレンマの計算機シミュレーションを行い、形成される協力ルール(時間的・空間的役割分業の慣習)の安定性とその発展の可能性を、系の力学的安定性という観点から分析した。まず、人数の違いと力学法則の違いが系のダイナミクスの影響に与える影響について調べ、社会環境の力学的構造の重要性について検証し、この結果はPhysicaDに掲載された。空間構造が入ったモデルについて米国Santa Fe InstituteのPaolo Patelli氏とともに構築し、現在計算機シミュレーションについて、空間構造と社会的ジレンマの関係について検証中である。研究の成果については、5/29-30統計数理研究所「Workshop on Dynamical Systems Mathematical Biology」、9/9-11中央大学のThe Sixth Intemational Conference on Complex Systems(CSO2)にて発表した。また、11/7-8には、統計数理研究所にて、世話人として研究会「動的システムの情報論2」を開催した。そして、情報・制御・計算・論理・ゲームなど、認知にかかわる研究者を集め、動的なシステムに内在する新たな情報原理に関する有用な議論を行った。
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[Publications] Eizo Akiyama, Kunihiko Kaneko: "Dynamical systems game theory II --A new approach to the problem of the social dilemma --"Physica D. 167・1-2. 36-71 (2002)
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[Publications] Yuzuru Sato, Eizo Akiyama, J. Doyne Farmer: "Chaos in learning a simple two-person game"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 99・7. 4748-4751 (2002)