2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780348
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺部 慎太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60302585)
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Keywords | 意識調査分析 / 市民参加 |
Research Abstract |
本年度は,意識調査の分析に良く用いられる構造方程式モデルから得られる意識構造を基準に,何らかの意味で同質な人ごとにセグメンテーションをする方法について検討することを目的とした.その際には,セグメンテーションの指標として,影響関数から得られる値を用いることを試みた. 影響関数は,主に回帰分析などのロバスト推定のために導入されたもので,各観測値がモデルの推定結果にどのような影響を与えているかを数値化して,その結果から外れ値を探すために用いられる.構造方程式モデルではその適合度関数を用いて定義されるが,あるサンプルを推定母集団から外すときにパラメータがどう変動するか,あるいは対象に別のサンプルを新たに加える際のパラメータの変動も同様に定義できると考えた. ここで,分析者が着目した部分的な構造(ある一つのパスや,複数のパス,変数間の相関など)の影響係数をもとにセグメンテーションをすることになるが,本研究ではモデル全体への適合度に着目してセグメンテーションを行うため,χ2(カイ二乗)値とGFI(適合度指標)を取り上げた. ケーススタディのモデルについて,セグメンテーションを行った結果,χ2値による方法では,所属セグメント数が多いほど計画への参加傾向が高くなる傾向にあり,これもセグメンテーション方法として利用できる可能性があることが分かった.GFIによる方法では,各サンプルのΔGFIの値が非常に小さかったために,サンプル間の違いがはっきりせず,結局望ましい結果を得ることはできなかった.また,χ2値のロバスト推定の議論をセグメンテーションに応用できないという議論が残り,来年度も引き続き検討していく.
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