2002 Fiscal Year Annual Research Report
定常核融合プラズマにおける長時間平衡磁場計測システムの開発研究
Project/Area Number |
14780392
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
榊原 悟 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (90280594)
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Keywords | 核融合 / 定常プラズマ / 磁場計測 / MHD / 積分器 / データ処理システム / プラズマ電流 / ドリフト |
Research Abstract |
安定な高ベータプラズマを定常的に維持するためには、常にプラズマの平衡状態(プラズマ圧力、電流、磁気面形状など)を精度良く計測し、かつ平衡破壊を回避できるような時間応答性の高い高速データ収集・制御システムを構築する必要がある。本研究では、長時間放電に対応した高精度、高時間分解能を有する平衡磁場計測システムの開発であり、磁気計測信号の長時間積分の手法を確立し、プラズマ実時間制御に対応した磁場データの高速処理の手法について検討を行う。平成14年度は磁気計測信号に用いる長時間積分器の試作開発、及び試験を行う。特に積分器の大きな問題点として、長時間使用の際の熱ドリフトによる非線形応答が上げられるが、本年度は積分器に使用する低ドリフトオペアンプの選定、回路設計及び試作を行った。1mV/sを大きく下回る低ドリフト特性及び高い線形性(30秒)を実現している。実際に3日間大型ヘリカル装置のプラズマ実験におけるプラズマ電流計測に本積分器を使用したが、1日間でのドリフト変化は1mV/s以内と安定しており、十分プラズマ計測に耐える仕様であることを確認している。今後は本積分器を並列化し、データ処理システムと合わせて分オーダーの長時間計測を行う予定である。積分器の並列化は、各積分器の積分時間を数ms〜数s設定できることから、線形性が保証される時間帯域での使用が可能であり、また信号の飽和に対しても有利である。一方、データ収集システムは計測信号の処理(ドリフト補正、複数の信号の演算など)に対する健全性を確認した結果、数十kHzオーダーでの処理速度を実現している。来年度は、上記の並列積分器との総合試験及び大型ヘリカル装置のプラズマ実験への適用を行う。
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