2002 Fiscal Year Annual Research Report
大型フッ化鉛結晶の開発とγ線・中性子線に対する応答特性の研究
Project/Area Number |
14780402
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
吉田 浩司 山形大学, 理学部, 講師 (80241727)
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Keywords | フッ化鉛 / PbF_2 / γ線 / 中性子線 / チェレンコフ結晶 / 鉛ガラス |
Research Abstract |
不完全ながらも生成に成功した大型結晶を、20×20×100mmのサイズにカット研磨し、10本のチェレンコフ輻射体を得ることができた。まずは、これらの結晶の透過率の波長依存性を測定し、目視による判断も加えて、ビームテストに使用する9本の結晶を選択した。 PbF_2結晶のそれぞれにφ=3/4"の光電子増倍管を装着し、3×3にくみ上げ、断面積60×60mm、奥行き100mm(輻射長=11X_o)の検出器とし、ビームテストを行った。 実験は高エネルギー加速器研究機構(KEK)のKEK-PSの2次粒子ビームライン(π2)で行われた。使用ビームは、1.5-4.0GeV/cの電子およびハドロン(π,p,d, etc)である。このエネルギー領域における電子は、検出器内で電磁シャワーを形成するので、それに対する応答特性を調べることは、γ線に対する応答特性を調べることとほぼ同義である。また、陽子線に対する応答を調べることは、将来の中性子線に対する応答を研究していく上で大いに参考になる。 実験結果は、電子線に対して、良好なエネルギー応答の直線性を得ることができたが、エネルギー分解能のノイズ項の寄与が大きい様子も観測され、その原因は今後の解析が必要である。ビームテストのデータを適宜、GEANT4やEGS4のシミュレーションと比較検討していきながら、研究を進めた。
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