2002 Fiscal Year Annual Research Report
産業廃棄物焼却灰の多元素相関キャラクタリゼーションと再資源化技術開発
Project/Area Number |
14780412
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤森 英治 名古屋大学, 工学部, 助手 (30291412)
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Keywords | 産業廃棄物 / 焼却灰 / 多元素相関解析 / キャラクタリゼーション |
Research Abstract |
地球システムにおいて、あらゆる物質は大気圏、水圏、地圏、生物圏、そして都市圏で形成されるサブシステム間を循環している。人間活動に伴い排出される廃棄物は、都市圏から他のサブシステムへの物質フラックスとみなすとこができるため、その化学的特性を把握することは非常に重要となる。研究者らは、産業廃棄物の焼却処理により発生する焼却灰(飛灰および残さ)を対象とし、そのキャラクタリゼーシヨンに関する研究を行っている。その結果、産業廃棄物焼却灰中にはCu, Zn, Sb, Pbなど、工業的利用度の高い元素が高濃度に含まれており、特に揮発性元素については飛灰により濃縮されていることなどを明らかにしてきた。本年度は、特に貴金属元素に着目し、その廃棄物焼却灰中存在度を明らかにするとともに、起源の異なる他の焼却灰と比較を行い、その特徴を明らかにすることを目的とした。その結果、産業廃棄物焼却灰では、いずれの試料においても、主に触媒に使用されるRh, Pd, Pt、および電極としての利用度の高いAuの濃度がμg g^<-1>からサブμg g^<-1>レベルであり、貴金属元素の地殻中存在度(ng g^<-1>レベル)と比較して、1桁から2桁高濃度であることがわかった。また、Ru, Irの濃度は地殻中存在度とほぼ同レベルであった。一方、石炭、石炭飛灰および都市ごみ焼却灰中貴金属元素の濃度は、都市ごみ焼却灰においてAuが若干高濃度である以外は地殻中存在度と同レベルであり、これらの結果は、焼却灰中貴金属元素が、人間活動の指標元素として利用できることを示唆するものである。また、貴金属類元素の濃縮度について、地殻からの濃縮係数を算出して評価したところ、産業廃棄物焼却灰には、Pd, Ptが100倍以上、Auが10-100倍濃縮されていることが明らかとなった。これらの元素の濃縮度は、Cu, Zn, Sb, Pbと同程度であり、貴金属元素の工業的利用度の高さを反映する結果となった。また、産業廃棄物焼却灰中貴金属元素の濃縮係数は、焼却物および燃焼方式の違いによらず、ほぼ同程度であった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] E.Fujimori, R.Shiozawa, S.Iwata, K.Chiba, H.Haraguchi: "Multielement and Morphological Characterization of Industrial Waste Incineration Fly Ash as Studied by ICP-AES/ICP-MS and SEM-EDS"Bulletin of Chemical Society of Japan. 75. 1205-1213 (2002)