2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780421
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Research Institution | Lake Biwa Environmental Research Institute |
Principal Investigator |
辻村 茂男 滋賀県琵琶湖研究所, 研究企画部門, 研究員 (60300969)
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Keywords | アオコ / ラン藻類 / 個体群動態 / 植物プランクトン |
Research Abstract |
滋賀県余呉湖最深部において、2002年4月から2004年3月にわたり月2回の頻度で採水を行い、植物プランクトン各種の現存量、栄養塩濃度およびアルカリフォスファターゼ活性を測定した。余呉湖では2002年には間欠式曝気循環装置三基と底層曝気装置が、2003年は底層曝気装置のみが運用されていた。アルカリフォスファターゼ活性の測定結果から、2002年の春から秋にかけては、多くの植物プランクトンにとって全循環が起きる直前の一時期を除いてリン制限ではないことが明らかとなった。一方2003年の同時期にはアルカリフォスファターゼ活性が高まり、植物プランクトンが強いリン制限にあることが示唆された。このことから、間欠式空気揚水筒による底層から表層への連続的な栄養供給がアオコ形成ラン藻類の増殖に寄与していると判断された。底層から表層への栄養供給が植物プランクトンの増殖に及ぼす影響を明らかにするため、2003年秋期全循環前に底層水と表層水を混合し培養実験を行った。その結果、無酸素条件で溶出した底層水中のリン酸は、二価鉄の急速な酸化に伴う吸着により植物プランクトンが取り込めない形態となるものの、その一部は植物プランクトンに利用されていることが明らかになった。2002年にはMicrocystisの対数増殖期、停滞期、衰退期と想定できる期間に1週間の現地集中調査を実施した。集中調査期間中は、定期調査同様の水質測定の他に、水温・照度センサロガーを設置し連続データならびに、8時間毎のMicrocystisの細胞内炭素・窒素・リン含量を測定した。また2時間毎に1回の採水を行い、細胞分裂頻度の変化から増殖速度を算出した。Microcystis細胞内の元素含量と増殖速度の関係を、光、温度ならびに外部栄養塩濃度のデータと照らし合わせて、現場におけるMicrocystisの増殖特性を詳細に検討した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tsujimura, S.: "Application of the frequency of dividing cells technique to estimate the in situ growth rate of Microcystis."Freshwater Biology. 48. 2009-2024 (2003)
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[Publications] 辻村茂男: "余呉湖の水質形成への琵琶湖揚水の影響"オウミア. 78. 3 (2003)