2002 Fiscal Year Annual Research Report
大気汚染物質3-ニトロベンズアントロンが誘発する突然変異の解析
Project/Area Number |
14780428
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川西 優喜 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (70332963)
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Keywords | 3-ニトロベンズアントロン / 突然変異 / DNA複製 / TLS |
Research Abstract |
申請書の「研究計画・方法」の記述に従い部位特異的にNBA-dG付加体をもつプラスミドを作成した。このプラスミドをエレクトロポレーション装置を用いて大腸菌JM103(uvrA, mutS)(注:uvrAはヌクレオチド除去修復を、mutSはstrand markerの修復を防ぐため)に導入し複製させた。このプラスミドは付加体箇所で塩基置換型TLSがおこるとLacZ遣伝子がin frameで転写され青、frame shift型TLSはout frameで白、反対側のDNA鎖が複製されるとout frameで白い大腸菌コロニーを生じるよう設計されている。これらの表現形の違いを利用し塩基置換型TLSプラスミドを選択した。その結果dG-NBAはDNA複製フォーク進行を阻害しSOS-状態で塩基置換型TLSは5.4%、SOS誘導すると11.3%まで上昇した。他の付加体(アミノフルオレン-dG付加体(dG-AF)、アセチルアミノフルオレン-dG付加体(dG-AAF)、6-4光産物(T(6-4))と比較するとNBA付加体はdG-AF(TLS:81%)よりは複製フォークをブロックするがdG-AAF(TLS:0.4%)やT(6-4)T(TLS:0.5%)ほどはブロックしないことが分かった。またSOS誘導によりdG-AAFやT(6-4)Tは20倍程TLSが上昇するのに対しdG-NBAは約2倍であった。
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