2003 Fiscal Year Annual Research Report
液状土壌汚染物質の土壌中浸透モデルの構築と優先対策サイトの決定方法の提案
Project/Area Number |
14780440
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小林 剛 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (60293172)
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Keywords | 土壌汚染 / 土壌中浸透モデル / 優先対策サイト / NAPL / 有機塩素系溶剤 / 不飽和帯 / 毛管ポテンシャル |
Research Abstract |
○降水時の水の浸透に伴う液状土壌汚染物質の土壌中浸透の測定・解析 液状土壌汚染物質の浸入後に降水があった場合の液状土壌汚染物質の各土壌中での浸透挙動について、降水条件(降水強度、降水時間、降水回数等)を変えて測定・解析し、土壌の特性値(含水率、空隙率、,比表面積等)および化合物の特性値(密度、粘度、Pow等)との関係を解析した。各土壌とも含水率が高くなるとともにφ_<Le>は小さくなるが、砂質土A、黒ぼく土Aともに散水前の、φ_<Le>と散水後に含水率が上昇したときのφ_<Le>'とはほとんど変化せず、同じ含水率でも液存在率が異なる状態になることがわかった。これより、一度初期平衡状態に達した土壌中のPCE液体は、降雨により再移動しにくく、一度保持された溶剤液体は簡単には水と入れ代わらないことが示唆され、各土壌における初期平衡状態でのφ_<Le>が重要であることが分かった。 ○土壌中液状物質の気化・拡散挙動の解析 土壌中での液の挙動予測モデルを構築するために、降水後も保持された液がほとんど動かないことから、液の土壌中での気化速度および拡散速度を測定した。 気化速度について、土壌中での液体の気化速度は非常に速く、通気すると接触時間1.1秒以内という非常に短時間で飽和蒸気となることを明らかにした。したがって、土壌中に有機塩素化合物が液状で存在する場合の蒸気の広がりは、拡散速度に支配されること、土壌ガス吸引法による浄化時には、液体が存在する部分では短時間で飽和となるため、その部分の流量をできるだけ大きくすることが効果的であることを明らかにした。拡散速度については、土壌中の気体の有効拡散係数は、土壌の種類によって大きく異ならず、分子拡散係数の約0.17倍であることがわかった。
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