2002 Fiscal Year Annual Research Report
ミニマムエミッションを指向した生体模倣法による水環境中未利用フッ素の回収・資源化
Project/Area Number |
14780451
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
袋布 昌幹 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助手 (50270244)
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Keywords | 水環境 / フッ素化合物 / バイオミティックプロセス / 化学平衡論的解析 |
Research Abstract |
(研究目的)一昨年から,環境基本法に基づく生活用水の環境基準健康項目(公共用水域及び地下水の水質汚濁による健康の保護に関する環境基準)に,新たにフッ素などの物質が追加された。さらに本年,水質汚濁防止法に規定されている工業廃水中のフッ素の上限値も,従来の15mgdm^<-3>より厳しい8mgdm^<-3>に改訂された。近年の産業廃棄物の処理費用高騰,処理場不足を考えると,処理効率のみならず,処理に伴って発生する廃棄物,すなわちスラッジ量の少ない高度処理技術の開発が必須である。また,ゼロエミッションの概念が広く普及している今日においては,水処理においても周囲の環境への負荷をできるだけ軽減させた,ミニマムエミッション型の処理プロセスが求められる。本研究は,環境中に排出される各種水資源中に含まれている未利用フッ素を回収,資源化することを最終目的とし,(1)単純なフッ化カルシウム法と生体模倣法を組み合わせたハイブリッドフッ素回収・資源化技術の構築および(2)水産業廃棄物などの未利用カルシウム資源を用いた水処理に用いる機能性材料の開発を行う。 (研究成果) (1)従来フッ素含有廃液の高度処理に適さないと考えられていたフッ化カルシウム法を改良することにより,新排出基準を下回る高い処理効率と低スラッジを両立させた処理法を構築した。 (2)りん酸カルシウムの一種であるりん酸水素カルシウム二水和物(DCPD)をもちいて,アルミニウムが共存したフッ素廃水中のフッ素のみを選択的に固定できることを示した。 (3)DCPDとフッ化物イオンの反応を詳細に検討し,水溶液中フッ素の固定には水にDCPDを懸濁させたものを用いることにより,迅速かつ高効率なフッ素固定が可能であることを示した。 (4)DCPDを水に懸濁させた溶液を用いることにより大気中の微量フッ素を固定,定量できることを示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 袋布昌幹, 丁子哲治: "ミニマムエミッションを指向したフッ化カルシウム法による廃液中フッ化物イオンの高度処理"水環境学会誌. 26巻・1号. 33-38 (2003)
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[Publications] Masamoto TAFU, Tetsuji CHOHJI: "Development of a Method for Simplified Determination of a Trace of Fluoride in the Air by Using Transform Reaction of Calcium Phosphate"Proceedings of 2nd Asian BioCeramics Symposium. 193-196 (2002)