2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経形成を制御する新規糖鎖オリゴシアル酸の作用機構の解明
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14780471
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 ちひろ 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (10343211)
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Keywords | シアル酸 / ジシアル酸 / オリゴシアル酸 / ポリシアル酸 / 神経細胞接着分子 / CDI66 / 細胞接着 / シアル酸転移酵素 |
Research Abstract |
シアル酸がα2,8-結合で2-3残基縮重合したジ・オリゴシアル酸構造の役割は、糖脂質ではよく研究されているが、糖タンパク質においてはその存在が微量なためほとんど注目されていなかった。我々はこれまで、ジ・オリゴシアル酸構造の微量検出法を確立し、その方法を用いてブタ脳に重合度が2-7程度のジ・オリゴシアル酸含有糖タンパク質が数種存在することを明らかにした。今回、神経細胞における糖タンパク質上のジ・オリゴシアル酸構造の生物学的機能を明らかにすることを目的とし、ジシアリル化ガングリオシドをほとんど発現しない神経芽腫瘍細胞(Neuro2A)を用いて、神経分化におけるジシアル酸含有糖タンパク質の発現変化を解析した。 Neuro2A細胞を分化誘導剤処理して、糖脂質、糖タンパク質上のジシアル酸構造を化学的、免疫化学的手法を用いて解析したところ、分化に従い糖タンパク質上のジシアル酸構造が増加した。また、これまでに知られているα2,8-シアル酸転移酵素の発現変化をRT-PCR法で解析したところST8SiaIIIが神経分化に伴い、1.7倍に増加することが明らかになったさらに、ジシアル酸構造の神経突起伸長における役割を各種抗体を用いて検討したところ、ジシアル酸に対する抗体は神経突起の伸展を阻害することがわかった。以上のことから、Neuro2A細胞において、分化に伴って発現が増加する糖タンパク質上のジシアル酸構造が神経突起伸展に関与することが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sato, C., Matsuda, T., Kitajima, K.: "Neuronal Differentiation-dependent expression of the Disialte acid epitope on CD166 and its involvement in neurite formation in Neuro2A cells"The Journal of Biological Chemietry. 277. 45299-45305 (2002)
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[Publications] Yabe, U., Sato, C., et al.: "Polystalic actd in human milk"The Journal of Biological Chamistry. 278(in press). (2003)