2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト由来グルタミルプロリルtRNA合成酵素のX線結晶構造解析
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14780482
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
関根 俊一 理化学研究所, 細胞情報伝達研究室, 研究員 (50321774)
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Keywords | aminoacylation / aminoacyl-tRNA synthetase / crystallization / tRNA / X-ray crystallography |
Research Abstract |
本年度は、結晶化を行うためのタンパク質試料を調製するために、グルタミルプロリルtRNA合成酵素(以下GluProRS)の大腸菌での発現系の構築を試みた。まずはじめに、ヒト肝臓由来cDNAライブラリーに対して、GluProRSの遺伝子の5'末端と3'末端に相補的な配列をもったプライマーを合成してPCRを行い、完全長の構造遺伝子(4,320塩基対)を増幅し、クローニングすることに成功した。大腸菌内で本タンパク質を発現させるために、よく使われているT7プロモーター制御下で発現を行わせるためのプラスミドに遺伝子をサブクローニングし、発現を試みたが、目的タンパク質の発現は認められなかった。GluProRSの大腸菌における細胞毒性の可能性を考慮し、酵母にみられるprotein splicingを応用したIMPACTシステムに遺伝子を組み換えて発現を試みたが、GluProRSを効率よく発現させることはできなかった。現在は、GluProRSの全長ではなく、その一部(グルタミルtRNA合成酵素(GluRS)やプロリルtRNA合成酵素(ProRS)に相当する部分)を発現させて構造解析のターゲットとするための発現系の構築を行っている。また、古細菌由来のGluRSは、真核生物由来のGluRSと高い相同性をもつことが知られているので、試料調製の比較的容易な古細菌由来のGluRSの構造解析も同時に進めていくことを考えている。
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