2002 Fiscal Year Annual Research Report
ABCAサブファミリータンパク質(ABCA1,ABCA7)の機能解析
Project/Area Number |
14780489
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松尾 道憲 京都大学, 農学研究科, 助手 (00335308)
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Keywords | ABCA1 / タンジール病 / コレステロール / 脂質 / ABCタンパク質 / 動脈硬化 / ECD / NBF |
Research Abstract |
脂質、コレステロール輸送に関与すると考えられるABCA1タンパク質の2つの細胞外領域(ECD)の機能を詳細に調べるため、ECD-1を大腸菌で発現させ、それに対するポリクローナル抗体を作製した。 一方、ECD-2は大腸菌でほとんど発現しなかった。ECD-2の構造維持にECD-1との相互作用が必要である可能性もあるので、今後はECD-1とECD-2の共発現を行う。 2つのヌクレオチド結合領域(NBF1,NBF2)でのATP結合・加水分解と機能の関係を調べるために、NBFをマルトース結合タンパク質(MBP)との融合タンパク質として大腸菌で発現させ、ポリクローナル抗体を作製した。バナジン酸トラッピング法によって、培養細胞で発現させたABCA1にATP加水分解活性があることを初めて明らかにした。 遺伝性HDL欠損症の一つであるタンジール病の原因となるABCA1変異の影響を調べた。野生型ABCA1は細胞膜と細胞内区画に局在することを、ECD-1に対する抗体を用いて明らかにした。ECDの変異体の内、R587WとQ597Rは細胞膜への局在が不全となることを糖鎖解析とGFP融合タンパク質の蛍光顕微鏡解析から明らかにした。W590Sは細胞膜に局在し、野生型と同様のATP結合・加水分解活性を持つが、アポリポタンパク質AI依存的なコレステロール輸送が失われることを明らかにした。このことから、W590S変異はATP結合、加水分解以降の段階で機能が失われる可能性を示した。
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[Publications] Tanaka, A.R. et al.: "ATP binding/hydrolysis by and phosphorylation of peroxisomal ABC proteins PMP70 (ABCD3) and ALDP (ABCD1)"J. Biol. Chem.. 277. 40142-40147 (2002)
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[Publications] Tanaka, A.R. et al.: "Effects of mutations of ABCA1 in the first extracellular domain on subcellular trafficking and ATP binding/hydrolysis"J. Biol. Chem.. 278. 8815-8819 (2003)