2002 Fiscal Year Annual Research Report
軸索ガイダンスにおける受容体型プロテインチロシンホスファターゼの役割
Project/Area Number |
14780496
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
新谷 隆史 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (10312208)
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Keywords | 視神経 / 軸索 / リン酸化 / 受容体 / チロシンホスファターゼ / 網膜視蓋投射 / ニワトリ / Eph |
Research Abstract |
我々は、網膜の前後軸方向において、前側特異的あるいは後側特異的に発現する受容体型PTPを一つずつ見出した。受容体型PTPは、細胞外領域にリガンド分子が結合することにより活性が調節されると考えられている。PTPについては、PTP活性を担うドメイン中の特定のアミノ酸を変異させることにより、ドミナントネガティブ型分子を作製することが可能である。このような変異型分子をニワトリ網膜に導入し、その効果を解析した。ニワトリ胚においては、レトロウイルスベクターやin ovo電気穿孔法を用いることによって、特定の遺伝子を導入することが容易にできる。これらの方法を用いて、野生型分子や上記の変異分子をニワトリ胚網膜に導入することにより、各分子の網膜視蓋投射に対する影響を解析した。網膜から視蓋への投射解析は、DiIなどの蛍光性トレーサー色素を用いて、視神経をラベルすることにより行った。その結果、ドミナントネガティブ体を発現させたニワトリ胚においては、網膜から視蓋への投射に異常が見られた。これらの異常は、PTPが本来脱リン酸化する基質タンパク質のリン酸化が、ドミナントネガティブ体のために亢進した状態になったため生じたと予想された。 次に、基質タンパク質について探索を行った。網膜視蓋投射系においては、受容体型チロシンキナーゼのEphが重要な機能を果たしていることが知られている。解析の結果、Eph受容体型チロシンキナーゼがPTPの基質となっていることが明らかになった。現在、詳しい脱リン酸化部位の同定を進めているところである。
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Research Products
(1 results)