2003 Fiscal Year Annual Research Report
染色体相同組換えの制御機構に関わる蛋白質群の構造と機能
Project/Area Number |
14780500
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
美川 務 独立行政法人理化学研究所, 遺伝生化学研究室, 研究員 (20321820)
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Keywords | 相同組換え / 二重鎖切断 |
Research Abstract |
DNA相同組換えは減数分裂期やDNA修復,進化にも関係する重要な生命現象である.本研究ではDNA相同組換えの開始反応に重要な働きをする蛋白質Mre11に特に注目してきた.14年度はMre11を大量調製し,その構造ドメインの解析を行った.さらに,その結果から得られた,減数分裂に重要な役割を果たすMre11のc末端ドメイン(Mre11C)を調製し,そのNMRスペクトル測定を行った. 平成15年度はMre11と相互作用する生体高分子の解析を行った.まず,Mre11Cの^<15>N^1H-HSQCスペクトルを用いて,Mre11とDNAとの相互作用について解析した.Mre11Cに単鎖DNA,二本鎖DNAを加えてそれぞれHSQCスペクトルを測定して解析したところ,Mre11Cは二本鎖DNAに優位に結合することが明らかになった.これまで,Mre11はC末端領域で単鎖DNA,二本鎖DNAに共に結合することが報告されていたが,今回の結果よりその優位性が明らかになった.次に減数分裂期にMre11と共に働いている蛋白質Rec104について,Mre11との相互作用の有無を解析した.Rec104はその大量調製が困難であったため,Rec104を可逆に結合させた樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーを行った.Rec104を結合させたカラムにコントロールとしてBSAを注入したところ,BSAは結合せずに素通りした.次にMre11Cを注入したところ,Mre11Cはカラムに結合しRec104と共に溶出した.この結果からRec104がMre11と直接相互作用し,その相互作用部位がMre11のC末端領域であることが初めて明らかになった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Honda M, Rajesh S, Nietlispach D, Mikawa T, Shibata T Ito Y.: "Backbone (1)H, (13)C, and (15)N Assignments of a 42 kDa RecR Homodimer"J.Biomol. NMR. 28・2. 199-200 (2004)
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[Publications] Yoshimasu M, Aihara H, Ito Y, Rajesh S, Ishibe S, Mikawa T, Yokoyama S, Shibata T.: "An NMR study on the interaction of Escherichia coli DinI with RecA-ssDNA complexes"Nucleic Acids Res.. 31・6. 1735-1743 (2003)