2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780501
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
相沢 智康 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40333596)
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Keywords | サイトカイン / 昆虫 / 立体構造 / ペプチド / NMR / 相互作用 |
Research Abstract |
多機能なサイトカインであるGBPに結合し、その活性を調節すると考えられる因子GBP結合タンパク貿(GBPBP)について、大腸菌を利用した大量発現系の構築に成功し、この系を利用する事で、GBPとの相互作用解析を進めた。表面プラズモン共鳴センサーを用いた実験から、血中から得られたGBPBPと遺伝子組換えGBPBPとでは、ほぼ同等のGBP結合能を有することが明らかになった。さらに、GBPBPとGBPの相互作用には、GBPの自由度が重要である可能性が示唆された。また、GBPのアミノ酸を置換した変異体を利用し、その活性と立体構造の変化から、受容体との相互作用を検討する研究では、GBPと相同性の高いペプチドにおいて保存される芳香族残基に注目した研究と、GBPのN末端の収束した立体構造を有しない領域に注目した研究を進めた。前者の研究から、GBPのPhe3の疎水性が受容体結合に重要である事、Try11がコアの構造の維持に不可欠である事を明らかにした。また、後者の研究から、N末端の収束しない領域のもつ主鎖の自由度が、受容体の活性化に重要であることを明らかにした。これらの成果から、GBPのアンタゴニストをデザインし、実際に活性を阻害することを明らかにした。また、GBPの研究に必要なペプチド試料を調整するために、メタノール資化酵母を用いた大量発現系を構築し、活性型でのGBPの産生に成功した他、すでにGBPが結合することが明らかになっているEGF受容体に関連した、他のリガンドの立体構造解析を進めた。
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[Publications] K.Miura: "Solution structure of betacellulin, a new member of EGF-family ligands"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 294. 1040-1046 (2002)
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[Publications] N.Koganesawa: "Expression and purification of a small cytokine growth-blocking peptide from armyworm Pseudaletia separata by an optimized fermentation method using the methylotrophic yeast Pichia pastoris"Protein Expr. Purif.. 25. 416-425 (2002)
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[Publications] A.Matsuura: "Structural Analysis of an Insect Lysozyme Exhibiting Catalytic Efficiency at Low Temperatures"Biochemistry. 41. 12086-12092 (2002)
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[Publications] T.Suetake: "Production and characterization of recombinant tachycitin, the Cys-rich chitin-binding protein"Protein Eng.. 15. 763-769 (2002)
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[Publications] K.Miura: "Solution structure of paralytic peptide of silkworm, Bombyx mori"Peptides. 23. 2111-2116 (2002)
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[Publications] T.Aizawa: "Structure and activity of insect cytokine GBP which stimulates the EGF receptor"Moll. Cells.. 31. 1-8 (2002)