2002 Fiscal Year Annual Research Report
モーター分子によって励起されたマイクロフィラメントのコヒーレンス
Project/Area Number |
14780541
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
羽鳥 晋由 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (00283036)
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Keywords | アクチン / ミオシン / 筋肉 / 分子間相互作用 / 細胞骨格 / 化学力学エネルギー変換 / ATP加水分解 / 分子モーター |
Research Abstract |
マイクロフィラメント(アクチン繊維)がモーター分子(ミオシン)によって励起されたとき、そこに発生するゆらぎのコヒーレンス特性を明らかにすることを目的とした。14年度研究実施計画に従って、以下の項目について調査し、結果を得た。 1.蛍光顕微鏡の改良と解析プログラムの作成 本研究申請によって購入されたグリーンレーザーを既存の倒立型蛍光顕微鏡に組み込むことによって、アクチン繊維の蛍光像を鮮明に得ることができた。特にアクチン繊維をスポット状に標識したときにS/N比を以前よりも改善することができたため、高精度の位置決定に有効であった。そして蛍光スポットの輝度分布をもとにガウス曲線で補間する方法を用いることで、その座標を精度よく決定できるプログラムを作成できた。 2.アクチン繊維に発生するゆらぎのATP濃度依存性 ATP濃度の増加と伴に、ミオシン分子上のアクチン繊維の滑り速度は双曲線状に増加したのに対して、その速度変動(ゆらぎ)は100μM ATP濃度で最大となった。その濃度より低いとき、繊維各部分の動きは独立であったが、それより高い濃度では、同期していた。 3.ミオシン分子のATP加水分解中間状態とアクチン繊維のゆらぎ ATPの加水分解過程で生じるミオシン分子とアクチン繊維との弱い結合が、アクチン繊維の滑り運動にもたらす効果を調べた。ATPと共に非加水分解性のATPアナログ(AMP-PNP)を加えることによって弱い結合の頻度を上げたとき、滑り速度が増加した。そして、繊維の進行方向のゆらぎが増大した。このことは、弱い結合が介在することで繊維のコヒーレンスが高まり、運動に指向性が与えられたことを示す。
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