2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期チェックポイントにおける癌抑制遺伝子LATS2キナーゼの機能解析
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14780545
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
薮田 紀一 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10343245)
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Keywords | キナーゼ / Lata2 / Aurora / 中心体 / リン酸化 / ノックアウトマウス / 細胞周期チェックポイント / ノコダゾール |
Research Abstract |
申請者は、細胞周期チェックポイント制御におけるLats2キナーゼの機能解析を行ってきた過程で以下のような成果を得た。(1)微小管重合阻害剤ノコダゾール処理によるLats2の特異的なリン酸化を制御するプロテインキナーゼの一つとして中心体キナーゼであるAurora-Aを同定した。(2)Aurora-AがLats2の83番目のセリン残基(S83)と少なくとももう一管所をリン酸化することを見出した。(3)S83は間期(Interphase)では核内と中心体の両方でリン酸化され、核膜崩壊後は、中心体でのみリン酸化された。特に、そのリン酸化シグナルはProphaseとMetaphaseで強く観察され、このパターンはAurora-Aと酷似している。また、非常に興味深いことに、CytokinesisのときのS83のリン酸化シグナルは中心体から消失し、その代わりにMidbodyにおいて強く観察された。(4)Lats2の野生型と2つのS83変異体S83C、S83EをHeLa細胞に導入してLats2の中心体局在を観察した結果、S83Cを発現させた細胞でLats2の中心体局在率が顕著に低下した。このことは、Aurora-AによるS83のリン酸化がLats2の中心体局在に重要な役割を果たしていることを示唆している(論文印刷中)。(5)個体レベルにおけるLATS2の生理的機能を明らかにするために、LATS2ノックアウト(KO)マウスの作製を進めてきた。その過程でヘテロ欠損マウス(LATS2^<-/+>)を作製したが、正常に生育した。現在、ホモ欠損マウス(LATS2^<-/->)を鋭意作製中である。今後、ホモ欠損マウスが致死である可能性も含めて解析を進めていく。一方でLATS1のKOマウスの作製も同時に行っているので、両者が作製できた後にはLATS1・LATS2のダブルKOマウスの解析も行っていく。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yabuta, N., Kajimura, N., Mayanagi, K., Sato, M., Gotow, T., Uchiyama, Y., Ishimi, Y., Nojima, H.: "Mammalian Mcm2/4/6/7 complex forms a toroidal structure."Genes to Cells. 8・5. 413-421 (2003)
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[Publications] 薮田紀一, 野島博: "中心体に局在するM期制御タンパク質キナーゼ群"実験医学増刊「細胞周期研究の新局面」. 21・5. 85-92 (2003)
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[Publications] Toji, S., Yabuta, N., Hosomi, T., Nishihara, S., Kobayashi, T., Suzuki, S., Tamai, K., Nojima, H.: "The centrosomal protein Lats2 is a phosphorylation target of Aurora-A kinase."Genes to Cells. 印刷中.