2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780567
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山本 融 独立行政法人理化学研究所, 非対称細胞分裂研究グループ, 研究員 (10251480)
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Keywords | 運動神経 / 神経分化 / 神経回路 / 新規因子 / 軸索ガイダンス |
Research Abstract |
運動神経をモデル系とし、その回路網形成に関与しうる新規・未解析因子の検索を目的として、発生学的な解析が進んでいるニワトリ胚を用い、単一の運動神経細胞からそれぞれcDNAを調製することにより、運動神経の特定機能単位・特定分化ステージにおいて選択的に発現される因子の単離・解析を進め、四肢の腹側に投射するLMCm運動神経、および四肢の背側に投射するLMC1運動神経にそれぞれ選択的に発現する新規・未解析因子群の単離に成功した。これら因子群はすべて進化上高度に保存されていることから、生命現象において基本的に重要な役割を担っていることが推測され、神経回路網形成の分子機構を明らかにする上で、これまで着目されてこなかった観点からアプローチするための多数の手がかりを得ることができたと考えられる。さらに、本研究目的のために開発したスクリーニング法の普遍性・有効性が確証されたことから、現在なお不明な点が多い運動神経回路網形成の最初期過程における分子機構を探る目的で、運動神経に特異的にその誕生時において選択的に機能しうる因子の探索を試みた。その結果、中枢神経においては運動神経に特異的に、しかもその誕生時に一過的に発現がみられる因子を単離することに成功した。この因子は同じく進化上高度に保存された細胞質性の未解析因子であり、相互作用因子を探索したところ、細胞骨格の制御に関わる因子群と協働することが推測された。そこで、培養細胞において過剰に発現させたところ、その形態と運動性に顕著な変化が誘導された。これらのことから、この因子は運動神経の軸索伸長時における細胞骨格制御に重要な役割をはたしていることが予測された。
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