2002 Fiscal Year Annual Research Report
Exocyst複合体を介した新たなシナプス伝達制御機構の解明
Project/Area Number |
14780579
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
原田 真市 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (90272955)
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Keywords | C. elegans / Exocyst / Exo70 / Sec5 / Sec10 / Sec15 |
Research Abstract |
これまでにシナプス伝達関連因子としてのSyntaxinやSynaptobrevinがその中心的役割を果たしている数多くの報告がなされているが、これら因子だけでシナプス伝達を説明することは無理がある。そこで新たなシナプス伝達機構の解明を目的として、小胞の形質膜結合に関与すると推定されるExocyst複合体に注目し関連遺伝子の線虫ホモログ、Sec5,10,15及びExo70遺伝子のクローン化を行った。RT-PCR及びC. elegans cDNAライブラリーのスクリーニングから全コーディング領域を含むcDNAクローンを得た。それらをプローブにしたノーザンブロット解析からは、Sec15 mRNAは少なくとも5つが確認された。またその他の遺伝子はいずれもシングルバンドを検出した。 しかしながらExocyst複合体の内、哺乳類、ショウジョウバエ、酵母で見つかっているSec6とSec8遺伝子はゲノムデータベースの検索からも相同性のある候補遺伝子は見つからなかった。広い種間で保存されているにも関わらずこれら遺伝子が線虫C. elegansに存在しないのは別の因子により代替されているか、或いはExocyst複合体による機能が異なることが考えられる。このことを証明するため現在Yeast Two Hybrid法による検討を進めている。 さらにExocyst複合体関連遺伝子の発現を調べるため、プロモーター領域を含むそれぞれのゲノムDNA断片をPCRで増幅後、GFPをレポーター遺伝子として持つ発現ベクターに組み込み、トランスジェニック線虫での遺伝子局在を調べた。その結果、特にmotor neuronと一部の頭部神経細胞で発現が見られた。これら遺伝子は神経特異的なunc-64(Syntaxin)遺伝子の局在と極めて類似していたことからExocyst複合体関連遺伝子はシナプス前終末で機能していると推定され、シナプス小胞の分泌に深く関与する可能性が示唆された。
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[Publications] Funaki, H., et al.: "Expression of Vascular Endothelial Growth Factor-D is Associated with Lymph Node metastasis in Human Colorectal Carcinoma"Oncology. (2003)
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[Publications] Sassa, T., et al.: "Role of C. elegans protein phosphatase type 1, CeGLC-7b, in metaphase to anaphase transition during embryonic development"Exp.Cell.Res.. (2003)
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[Publications] Yokoyama, K., et al.: "Extended longevity of Caenorhabditis elegans by knocking in extra copies of hsp70F, a homolog of mot-2 (mortalin)/mthsp70/Grp75"FEBS Lett.. 516(1-3). 53-57 (2002)
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[Publications] Funaki, H. et al.: "Essential role for nuclear factor kappaB in ischemic preconditioning for ischemia-reperfusion injury of the mouse liver"Transplantation. 74(4). 551-556 (2002)
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[Publications] 上野照剛, 重光 司, 岩坂正和編: "生体と電磁界"学会出版センター. 342 (2003)