2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780622
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
尾畑 やよい 群馬大学, 遺伝子実験施設, 助手 (70312907)
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Keywords | インプリンティング / メチル化 / 核移植 / 卵子形成 / 体外培養 |
Research Abstract |
雌マウスの生殖細胞を発生工学的に操作することによって、生殖細胞の成熟を早め、コンシジェニックマウスの確立をより加速することを最終目標として以下の研究に取り組んだ。 ・未分化生殖細胞から生殖可能な卵子を構築するin vitro系の確立 妊娠12.5日目のマウス雌胎仔卵巣内には減数分裂に移行する前の未分化雌性生殖細胞のみしか存在しない。この時期の生殖巣を7日間器官培養すると、生殖巣内に存在する雌性生殖細胞が第一減数分裂前期へと移行し、卵母細胞へと分化を遂げていることが明らかとなった。さらに10日間器官培養を行うと卵巣内では卵胞形成が開始され、卵母細胞は成長過程へと移行した。成長期に移行した卵母細胞をさらに11日間培養すると、卵母細胞の成熟に必須とされる、インプリント遺伝子のメチル化(後成的な遺伝子修飾)を完了していることが確認された。また、卵母細胞は最終的に50-73μm(平均63μm)にまで成長した。さらに、体外で成長した卵母細胞の核を体内で十分に成長した卵母細胞の細胞質に核移植すると、この再構築卵子は減数分裂・体外受精・胚移植を経て、高率に産仔へと発生することが示された。In vitroにおいて胎生期の未分化生殖細胞から成熟卵子を構築することに成功した例はこれまでになく、初めての報告になった。また、In vitro系が樹立したことによって、未分化生殖細胞に発生工学的な操作を施し、生殖細胞の成熟を早めるための糸口が見いだせた。今後は、卵母細胞へのトランスフェクション法などを検討し、卵子の成熟に関わる遺伝子の強制発現により、最終目標へとアプローチする。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Obata Y, Kono T: "Meternal primary imprinting is established at a specific time for each gene throughout oocyte growth"J Biol Chem.. 277. 5285-5289 (2002)
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[Publications] Sotomaru Y, Katsuzawa Y, Hatada I, Obata Y, Sasaki H, Kono T: "Unregulated expression of the imprinted genes H19 and Igf2r in mouse uniparental fetuses"J Biol Chem.. 277. 12474-12478 (2002)
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[Publications] Shimoda M, Morita S, Obata Y, Sotomaru Y, Kono T, Hatada I: "Imprinting of a small nucleolar RNA gene on mouse chromosome 12"Genomics. 79. 483-486 (2002)
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[Publications] Bao S, Obata Y, Ono Y, Futatsumata N, Niimura S, Kono T: "Nuclear competence for maturation and pronuclear formation in mouse oocytes"Human Reprod.. 17. 1311-1316 (2002)
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[Publications] Hatada I, Kato A, Morita S, Obata Y, Nagaoka K, Sakurada A, Sato M, Horii A, Tsujimoto A, Matsubara K: "A microarray-based method for detecting methylated loci"J Hum Genet. 47. 448-451 (2002)
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[Publications] Obata Y, Kono T, Hatada I: "Maturation of mouse fetal germ cells in vitro"Nature. 418. 497-498 (2002)