2003 Fiscal Year Annual Research Report
HWY系ラットの毛包形成異常にかかわる遺伝子群の解明
| Project/Area Number |
14780624
|
|---|
| Research Institution | The University of Tokyo |
|---|
Principal Investigator |
石井 寿幸 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90323485)
|
|---|
| Keywords | 皮膚科学 / 毛包 / 突然変異ラット / 連鎖解析 |
|---|
| Research Abstract |
毛包形成不全を呈する突然変異動物であるHWY(Hairless Wistar Yagi)ラットについで以下の検索を実施した。
1)本ラット原因遺伝子Hwyはラット第15番染色体上のD15Ish3-D15Got58間(約0.17cM)に存在する。この領域はマウス第14番染色体のD14Mit223-D14Mit193間およびヒト第8番染色体に相当し、各種ゲノムデータベースから約50の遺伝子が候補遺伝子として存在すると考えられる。それらの候補遺伝子全てについて、HWYおよびBNラット皮膚cDNAを用いてRT-PCRによる発現量解析を行ったが、両系統ラット間で発現量に大きな差のある因子は認められなかった。
2)続いて、各候補因子cDNA翻訳領域の塩基配列について解析を行ったところ、3つの遺伝子においてHWYおよびBNラット間での系統間多型が認められた。いずれの多型についてもHWYタイプの多型は他のラット6系統では認められなかった。このことから、この3遺伝子が原因遺伝子である可能性が考えられた。今後In situ hybridization法を用いてこの各因子の毛包での発現様式を検索する予定である。
3)HWYラットに由来する原因遺伝子領域をBNラットの遺伝的背景に導入したコンジェニックラットの作製を計画し、現在、戻し交配第5世代(N5)を得ている。まだ完全なコンジェニック状態ではないが、N5世代におけるHWY由来染色体領域の割合はおよそ3%と推測される。そこでN5世代のヘテロ個体同士の交配により得られる、変異および正常ラット皮膚mRNAを検体としてSubtractive Hybridization法を行い、両ラット皮膚で発現量の異なる(=Hwyにより制御を受ける)遺伝子群を明らかにする予定である。
|
-
[Publications] Kimura N, Ishii Y, Yoshikawa Y. (他4名): "Presenilin-2 in the cynomolgus monkey brain : investigation of age-related changes."Primates.. in press. (2004)
-
[Publications] Negishi T, Ishii Y, Yoshikawa Y. (他2名): "Inhibition of staurosporine-induced neuronal cell death by bisphenol A and nonylphenol in primary cultured rat hippocampal and cortical neurons."Neuroscience Letters. 353(2). 99-102 (2003)
-
[Publications] Kikkawa Y, Ishii Y, Yonekawa H. (他10名): "A small deletion hotspot in the type II keratin gene mK6irsl/Krt2-6g on mouse chromosome 15, a candidate for causing the wavy hair of the caracul (Ca) mutation."Genetics. 165(2). 721-733 (2003)
