2002 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞における流れずり応力の感知と生理機能解析に関する研究
Project/Area Number |
14780631
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 希美子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00323618)
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Keywords | 流れずり応力 / 血管内皮細胞 / P2Xレセプター / ノックアウトマウス / 機械的刺激感知 / ATP受容性チャネル |
Research Abstract |
ノックアウトマウス作製によるP2X4の血管における生理的な機能解析 1)P2X4ゲノムDNAのクローニング マウスのゲノムライブラリー(C57Black/6)からP2X4のゲノム遺伝子をクローニングする為にP2X4の配列のうち、P2Xプリノセプターの他のサブタイプとホモロジーのない約800〜1000bpsの配列をPCRにより作成し、RI標識したプローブとしてハイブリダイゼーションに用い、exon1〜12までの全てのexon領域を含む約17kbpのP2X4のゲノムDNAをクローニングした。 2)ターゲティングベクターの構築 クローニングされたゲノムDNAの遺伝子配列をDNA sequencerで決定し、制限酵素地図を作成した。P2X4のexon領域のうち、機能ドメインであるATP結合部位に相当するexon3〜exon5の部分を欠損させることを目的に、exon2とexon3の間にloxP-neo-loxP配列を組み込み、exon5とexon6の間にloxP配列を組み込んだターゲティングベクターをサブクローニングを繰り返すことにより構築した。これによりマウスにCreを発現させるとexon1と2(膜貫通領域)以降はP2X4をコードする遺伝子が欠損することが期待される。 3)ES細胞への遺伝子導入と相同組替え体の解析 ターゲティングベクターをES細胞にエレクトロポレーションにより遺伝子導入し、更にG418により遺伝子導入された細胞を選別した。クローン細胞の中からゲノムDNAを抽出し、サザンブロッティングにより相同組替えしたクローン細胞を選別し、5クローンの相同組み替え体を得た。マウス初期胚へ相同組換えしたES細胞を導入した。得られた杯盤胞を擬妊娠雌ICRマウスに移植し、キメラマウスを作製し、現在約10匹得られている。現在、他のICRマウスと交配させ、ホモ遺伝子欠損マウスを作製中である。
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[Publications] M.Isshiki, J.Ando, K.Yamamoto, T.Fujita, Y.Ying, R.G.W.Anderson: "Site of Ca^<2+> wave initiation move with caveolae to the trailing edge of migrating cells"Journal of Cell Science. 115. 475-484 (2002)
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[Publications] 山本 希美子, 安藤 譲二: "血管内皮細胞におけるカルシウム・シグナリング"日本バイオレオロジー学会誌. 16. 3-7 (2002)
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[Publications] 安藤 譲二, 山本 希美子, 神谷 瞭: "メカノバイオロジーからみた生体構造形成原理"BME. 16. 22-28 (2002)